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[数A]確率の公式と用語一覧

数Aで習う場合の数の確率の公式と用語一覧です。
本記事は確率の解説です。場合の数の記事は下記になりますので参考にしてください。

※参考記事
[数A]場合の数の公式と用語一覧

目次

事象と確率

試行と事象

「サイコロを投げる」「くじを引く」など、同じ条件で繰り返し行う実験や観測を試行といいます。
試行の結果として起こる事柄「6の目が出る」「奇数の目が出る」「はずれが出る」などを事象といいます。
事象は集合を用いて表せます。

全事象・根元事象

「1個のサイコロを投げる」という試行において、起こりうる結果は「1の目が出る」、「2の目が出る」、・・・、「6の目が出る」の6通りです。これからの結果の1つ1つを根元事象といいます。
根元事象の全ての集まりを全事象といいます。

例)
1個のサイコロを投げる試行で、「奇数の目が出る」という事象をAとすると、
全事象U={1, 2, 3, 4, 5, 6}
事象A={1, 3, 5}
根元事象は{1}, {2}, {3}, {4}, {5}, {6}

確率の定義

全事象Uの個数をn(U), 事象Aの要素の個数をn(A)とします。
ある試行において、どの根元事象も同様に確からしい(同程度に起こることが期待できる)とき、事象Aが起こる確率P(A)は以下のように定義します。
$P(A) = \dfrac{n(A)}{n(U)}$ = 事象Aの起こる場合の数 ÷ 起こりうるすべての場合の数

例)
2個のサイコロを同時に投げるとき、目の和が5になるのは
(1, 4), (2, 3), (3, 2), (4, 1) の4通り
2個のサイコロの出方は全部で6×6=36(通り)
よって、2個のサイコロを同時に投げるとき、目の和が5になる確率は
$\dfrac{4}{36} = \dfrac{1}{9}$

確率の基本性質

積事象・和事象

事象A,Bについて

  • A,Bの積事象($A \cap B$) ・・・AとBがともに起こる事象
  • A,Bの和事象($A \cup B$) ・・・AまたはBが起こる事象

例) 1個のサイコロを投げるとき、事象A「偶数の目が出る」,事象B「5以上の目が出る」とすると $A = { 2, 4, 6 }$ , $B = { 5, 6 }$

「偶数かつ5以上の目が出る」積事象 $A \cap B = { 6 }$

「偶数または、5以上の目が出る」 和事象 $A \cup B = { 2, 4, 5, 6 }$

排反事象・空事象

2つの事象A, Bが同時に起こらないとき、事象Aと事象Bは「互いに排反である」、または、「互いに排反事象である」といいます。 A,Bが互いに排反であることは集合では$A \cap B = \emptyset$(空集合)で表されます。 $\emptyset$で表される事象を空事象といいます。

例) 1個のサイコロを投げるとき 事象A「偶数の目が出る」と事象B「3の目が出る」は互いに排反事象です。

確率の基本性質

  1. すべての事象Aについて $0 \leq P(A) \leq 1$
  2. 全事象Uについて $P(U) = 1$
  3. 空事象$\emptyset$について $P(\emptyset) = 0$
  4. 事象A,Bが互いに排反であるとき $P(A \cup B) = P(A) + P(B)$(確率の加法定理)

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和事象の確率

2つの事象A,Bについて、以下の等式が成り立ちます。 $P(A \cup B) = P(A) + P(B) – P(A \cap B)$ 特に、A,Bが互いに排反であるとき $P(A \cap B) = 0$ なので $P(A \cup B) = P(A) + P(B)$ となり確率の加法定理が成り立ちます。

例)1等から4等までの当たる確率が下の表のくじがあります。

このくじを1本引くとき、同時に違う等があたることはありません。 つまり、各等が当たる事象は互いに排反です。 よって、1等から3等までのいずれかが当たる確率は
$$ \dfrac{1}{50} + \dfrac{6}{50} + \dfrac{15}{50} = \dfrac{22}{50} = \dfrac{11}{25} $$

余事象と確率

全事象をUとします。事象Aに対して、「Aが起こらない」という事象をAの余事象といい、$ \bar{A} $で表します。
全事象Uの事象Aと余事象$ \bar{A} $について次の等式が成り立ちます。
$ {P}({A}) + {P}(\bar{{A}}) = {1} $ すなわち $ {P}(\bar{{A}}) = {1} – {P}({A}) $

例)
3枚の硬貨を同時に投げるとき、「少なくとも1枚は表が出る」という事象は「1枚も表が出ない」つまり、「3枚とも裏が出る」事象Aの余事象$ \bar{A} $です。

3枚の硬貨の表裏の出方の総数は $ 2 \times 2 \times 2 = 8 $(通り)

3枚とも裏が出るのは1通りであるから$ P(A) = \dfrac{1}{8} $
よって、少なくとも1枚は表が出る確率 $ P(\bar{A}) = 1 – \dfrac{1}{8} = \dfrac{7}{8} $

※参考記事
[数A]余事象|余事象の確率と見分け方は【少なくとも】がポイント

独立な試行の確率

いくつかの試行において、どの試行の結果も他の試行の結果に影響を与えないとき、これらの試行は独立であるといいます。
2つの試行SとTが独立であるとき、Sで事象Aが起こり、かつTで事象Bが起こる確率をpとすると、
$$ {p} = {P}({A}) \times {P}({B}) $$

例) 赤玉3個と白玉2個が入った袋Sと、赤玉と白玉が4個づつ入った袋Tがあります。それぞれの袋から球を1個ずつ取り出します。 袋Sから玉を取り出す試行と、袋Tから玉を取り出す試行は独立です。

Sから赤玉が出る確率は $\dfrac{3}{5}$
Tから赤玉が出る確率は $\dfrac{4}{8}=\dfrac{1}{2}$
両方とも赤玉が出る確率は $\dfrac{3}{5}\times\dfrac{1}{2}=\dfrac{3}{10}$

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反復試行の確率

サイコロを繰り返し投げる場合のように、1つの試行を同じ条件の下で何度も繰り返し行うことを反復試行といいます。これらの試行は独立です。 1回の試行で事象Aが起こる確率をpとします。この試行をn回行う反復試行で、 Aがちょうどr回起こる確率は $\text{_}{n}C_r p^r \left(1-p\right)^{n-r}$

例) 1枚の硬貨を1回投げるとき、表が出る確率は $ \dfrac{1}{2}$ です。 硬貨を5回投げて、表がちょうど3回出る確率は $$_5C_3\left(\dfrac{1}{2}\right)^3\left(1-\dfrac{1}{2}\right)^{5-3}=\dfrac{5\times4\times3}{3\times2\times1}\times\dfrac{1}{8}\times\dfrac{1}{4}=\dfrac{5}{16}$$

条件付き確率

1つの試行における2つの事象A, Bについて、事象Aが起こったという条件の下で、事象Bが起こる確率を、Aが起こったときのBが起こる条件付き確率といいます。
条件付確率は $P_A(B)$ で表します。

$P_A(B)$ は、Aを全事象と考えた時の事象Bが起こる確率で、下の式で定義されます。
$P_A(B) = \dfrac{P(A \cap B)}{P(A)}$  ($P(A) \neq 0$)
この式から、以下の確率の乗法定理が成り立ちます。
2つの事象A, Bがともに起こる確率 $P(A \cap B)$ は$P(A \cap B) = P(A)P_A(B)$

※参考記事
[数A]条件付き確率とは、公式をわかりやすく解説|練習問題あり【良問】

例)
赤玉3個、白玉5個が入った袋から玉を1個取り出し、玉を戻さずにもう1個取り出すとき、次の確率を求めよ。
① 1回目に赤玉が出たとき、2回目に白玉が出る確率。
② 赤玉、白玉の順に出る確率。

解)
① 事象A「1回目に赤玉がでる」事象B「2回目に白玉が出る」とすると、求める確率はAが起こった時のBが起こる条件付き確率です。
1回目に赤玉がでると、2回目は赤玉2個、白玉5個が入った袋から玉を取り出すので、求める確率は
$P_A(B) = \dfrac{5}{7}$

② 求める確率は確率の乗法定理より
$P(A \cap B) = P(A)P_A(B) = \dfrac{3}{8} \times \dfrac{5}{7} = \dfrac{15}{56}$

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