こんにちは、工学博士のKotaです。
今回は条件付き確率の解説です。条件付き確率って言葉で聞いたり、式で見ると「こんなのがあるのか〜」なんて思うんですが、しっかり理解してるかと言えば微妙なものです。
私も昔はゴリゴリ計算で解いていましたが、理解すると、「何を計算していたのか・・・」となるような問題です。
てことで、豊富な例題を用いてしっかり理解できるような記事にしましたので、いってみましょう。

条件付き確率は理解すれば難しくないけど、理解までが少し大変だよ。

事象Bが起こる確率を求め・・・事象Aが起きたとわかった上で!?なんじゃこりゃ・・・
※本記事は例題にかかる時間によりますが、15分あれば誰でも読破できます!
条件付き確率とは
条件付き確率とは「事象Aが起きた上で、事象Bが起こる確率」のことです。例題を見るのが理解する早道ですが、まずはその定義から見ていきましょう。
数式で書くと以下のようになります。
$$P(B|A)=\frac{P(A \cap B)}{P(A)}$$
ここで\(P(A \cap B)\)と\(P(A)\)の意味を理解して起きましょう。
ベン図を書く
下の図を見てください。ベン図を書きました。斜線で示した部分が、今回求める条件付き確率の部分になります。
$$P(A)=\frac{|A|}{|U|}$$
のことであり、「サイコロを振った時奇数が出る確率」みたいな単純だ事象のことになります。次に\(P(A \cap B)\)です。
$$P(A \cap B)$$
とはAが偶数が出る確率で、Bが3以下が出る確率だった時に、「奇数でかつ3以下が出る確率」となります。
条件付き確率はこれらを用いて、
$$P(B|A)=\frac{P(A \cap B)}{P(A)}$$
と表すのです。ではもっと理解を深めるために例題を見てみましょう。
条件付き確率の例題1
せっかくなのでさっきのサイコロを例にします。
サイコロを振った時に奇数の目が出ました。この時、3以下の目が出ている確率は?
もう一度条件付き確率の式を見ます。
$$P(B|A)=\frac{P(A \cap B)}{P(A)}$$
この中で分母に注目しましょう。
\(P(A)\)とは奇数が出る確率です。これは普通に\(\frac{1}{2}\)となります。次に分子です。
\(P(A \cap B)\)とは「事象Aが起きてかつ事象Bも起こる確率」です。つまり、「奇数が出てかつ3以下である確率」となります。つまり認められる数字は「1と3」のみです。
つまり\(\frac{2}{6}=\frac{1}{3}\)となりますね。
以上より、条件付き確率は以下の通りです。
$$\begin{align}
P(B|A) &= \frac{P(A \cap B)}{P(A)}=\frac{\frac{1}{3}}{\frac{1}{2}} \\
&= \frac{2}{3}
\end{align}$$
少しは理解が進みましたでしょうか!では次に行ってみましょうー
条件付き確率の例題2
例題2
ある男子25人、女子15人の40人のクラスがあります。このクラスの体育では野球もしくはバドミントン(以下バド)を選択科目にする必要があります。男子の18人は野球、7人はバド。女子の5人は野球、10人はバドを選択しています。
この中から1人の学生に選択種目を聞きました。
生徒が女子生徒であったとき、その生徒がバドをしている確率は?
少し長くなりましたが、考えていきましょう!
- \(P(A)\):生徒が女子生徒である確率
- \(P(A \cap B)\):生徒が女子生徒であり、かつバドを選んでいる確率
となりますね。ベン図を書きましょう(便利なので!)
まず女子生徒である確率は、40人中15人なので
$$P(A)=\frac{15}{40}=\frac{3}{8}$$
次に女子でかつバドを選んでいる確率は、女子でバドを選んでいる人は10人なので、
&&P(A \cap B)=\frac{10}{40}=\frac{1}{4}$$
つまり!!!
$$P(B|A)=\frac{P(A \cap B)}{P(A)}$$
に当てはめると答えが出ますね。
$$\begin{align}
P(B|A) &= \frac{P(A \cap B)}{P(A)}=\frac{\frac{1}{4}}{\frac{3}{8}} \\
&= \frac{8}{12}=\frac{2}{3}
\end{align}$$
となりますね!どうでしょう、分かってきたのではないですか?
条件付き確率の例題3
最後に少し難しい例題を!
例題3
ある病気の検査方法があります。その病気は100万人に一人が発症していることがわかっています。
検査方法は完璧ではなく、「病気であると判定が出たのに、病気ではない確率」と「病気ではないと判定が出たが、病気の確率」がともに0.005あります。
ある男性が検査を受けると、「病気である」と判定が出ました。この男性が本当に病気である確率を求めなさい。
ややこしいですな。笑
でも1つずつ見ていけば簡単ですよ!
- \(P(A)\):「病気である」と判定が出る確率
- \(P(A \cap B)\):「病気である」と判定が出て、実際病気の確率
病気である判定が出るパターンは2つあるので、それぞれの確率を足します。
(病気であり、病気と判定される確率)+(病気ではないが、病気と判定される確率)
$$\begin{align}
&= 0.000001×0.995+0.999999×0.005 \\
&= 0.001000994
\end{align}$$
です。
次に、「病気である」と判定が出て、実際病気の確率です
$$\begin{align}
P(A \cap B) &= 0.000001\times 0.995 \\
&= 0.000000995
\end{align}$$
以上をまとめると、
$$\begin{align}
P(B|A) &= \frac{P(A \cap B)}{P(A)}=\frac{0.000000995}{0.001000994} \\
&= 0.00994
\end{align}$$
となるのです!!
問題の解き方のコツ!
最後にコツを紹介しましょう。
例えば例題2の最後は「生徒が女子生徒であったとき、その生徒がバドをしている確率は?」となっていますね。注目点は2つ。
「生徒が女子生徒であったとき」と「生徒がバドをしている確率」です。まずは後半のみの確率を求めます。生徒がバドをしている確率ですね。
その後この2つが同時に起こる確率を求めるのです。「生徒が女子生徒であり」かつ「生徒がバドをしている」確率。これを式に当てはめると一発で解けますよ!
条件付き確率まとめ
以上をまとめます。
- 条件付き確率は事象Aが起きたとわかったとき、事象Bが起こる確率
- 事象Aかつ事象Bではない点に注意が必要
- 問題文から読み取れば難しくないよ
ってところですね!
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