こんにちは、工学博士のKotaです。
今回はベクトルを習うと必ず通る道【内積】です。私もベクトルの内積は影をイメージしてホニャララって説明で何も理解できなかった記憶があります。
そこで、ベクトルの内積とは何か、どう使えるのか、具体的な問題は?などの疑問に答えていきます!

僕はベクトルが嫌い。内積が分からないから!笑

じゃあこの記事を読むとベクトル大好き犬になるかもね。
※この記事で内積を完全に理解するためには、急がずゆっくり読むことをオススメします。
ベクトルの内積の定義
ベクトルの内積の定義から説明します。
良く例えられるのが、「ベクトルの内積はベクトルの影」です。でもこの例えって、理解すれば何が言いたいか分かるけど、理解するまでは分からない。という微妙なものです。
なので、図と式で見てみましょう。
図から
$$\vec{A}=(a_{1},\ a_{2}),\ \vec{B}=(b_{1},\ b_{2})$$
とすると内積は
$$\vec{ A }\cdot\vec{B}=a_{1}b_{1}+a_{2}b_{2}$$
と表すことができます。さらに余弦定理を用いることで
$$\vec{ A }\cdot\vec{B}=|A||B|cos\theta$$
のように表すことも可能です。一旦はこういう式で表すことができるのが内積である!と割り切っておいてください。後半に進むにつれて理解も進みますので。

内積の計算方法
では具体的に内積の計算方法を確認していきましょう。式はどちらを用いても構いません。
$$\vec{ A }\cdot\vec{B}=a_{1}b_{1}+a_{2}b_{2}\tag{1}$$
$$\vec{ A }\cdot\vec{B}=|A||B|cos\theta\tag{2}$$
(1)式で解いてみましょう。
$$\vec{ A }\cdot\vec{B}=4×1+2×3=10$$
となります。(2)でも解いてみましょうー!
$$|A|=\sqrt{20}=2\sqrt{5},\ |B|=\sqrt{10}$$
です。絶対値は三平方の定理より求めることが可能です。
$$cos45^{ \circ }=\frac{1}{\sqrt{2}}$$
なので、(2)式に代入すると・・・
$$\begin{align}
\vec{A}\cdot\vec{B} &= |A||B|cos\theta \\
&= 2\sqrt{5}×\sqrt{10}×\frac{1}{\sqrt{2}} \\
&= 10
\end{align}$$
と言うわけで、内積を求めることはできるようになったでしょう!
ベクトルの内積を求めるコツ
ここで、求めるコツを紹介しますね。
式が2種類ありますので、どちらを使うべきか考えます。\(\theta\)がわかっている場合はほとんど式(2)です。
逆に\(\theta\)がわかっていない場合は(1)式となります。
それでは、ベクトルの内積をどうやって活用するかを考えていきましょう!
ベクトルの内積の活用方法
先ほどの図をもう一度使って考えます。
ただし、\(theta=?\)になっていますね。2つのベクトルがなす角が分からないけれど、内積は分かる。って状況です。
$$\vec{A}\cdot\vec{B}=10$$
はさっき求めましたよね。すると以下の式が成り立ちます。
$$\vec{A}\cdot\vec{B}=|A||B|cos\theta=10$$
$$|A||B|=10\sqrt{2}$$
ですので、\(cos\theta=\frac{1}{\sqrt{2}}\)となります。
$$\text{∴}\theta=45^{ \circ }$$
となるわけです!ベクトルから角度が分かるようになるのです。
内積の公式と計算法則
最後にベクトルの内積の計算法則を紹介します。これを知っているかどうかで応用の幅が大きく変わります!
内積は交換できる
ベクトルの内積は交換が可能です。
$$\vec{A}\cdot\vec{B}=\vec{A}\cdot\vec{B}$$
まあイメージ通りですかね。
内積は倍にできる
ベクトルの内積は定数kをかけることもできますよ!
$$k\vec{A}\cdot\vec{B}=\vec{A}\cdot k\vec{B}$$
もちろん\(k(\vec{A}\cdot\vec{B})\)なんて事もできます。
内積は分配もできる
分配もできますよー
$$\vec{A}\cdot (\vec{B}+\vec{C})=\vec{A}\cdot\vec{B}+\vec{A}\cdot\vec{C}$$
って感じですね。
ベクトル内積のまとめ
以上をまとめましょう!
- 内積は影とか考えないで計算した方がいいよ
- 計算方法は2つありまして
- ベクトルがなす角を求めることが可能です!
ベクトルってなんじゃい?って方に向けた記事を誠意執筆中ですので、ご期待ください!
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