今回のテーマは対数微分法です。
対数微分法とは、
両辺の対数を取ってから微分する方法のこと
です。
対数微分法の例題と公式、いつ使えばいいのか、絶対値が付く理由を解説していきます。

九州大学 工学博士の僕が解説します!
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対数微分法はいつ使うか
対数微分法は、\(y=f(x)\)を\(x\)で微分したいとき、
『\(f(x)\)よりも\(\log f(x)\)の方が微分しやすいのであれば』使います。
具体的には、指数の肩に\(x\)が乗っているときは使えるイメージです。
下記が具体例になります。
$$x^x,\ a^x,\ (\sin x)^x,\ x^{ \frac{1}{x}}$$
対数微分法の例題1|定番のやり方
【例題】
\(y=a^x\)を\(x\)について微分せよ。
【解答】
対数関数の微分法で微分する。
両辺の対数を取ると\((1)\)式が得られる。
$$\log y=\log (a^x)=x\log a\cdots(1)$$
合成関数の微分法より、左辺を微分すると、
\((\log y)’=\displaystyle \frac{y’}{y}\)であるから
両辺を\(x\)で微分すると、下記のように計算できる。
\begin{eqnarray}
\displaystyle \frac{d}{dx}\log y &=& \displaystyle \frac{d}{dx}x\log a \\
\displaystyle \frac{y’}{y}&=&\log a\\
y’&=&y\log a\\
y’&=&a^x \log a \end{eqnarray}
以上で対数微分法を使った微分は完了です!
対数微分法の例題2|少し複雑
【例題】
\(y=\sin x\)を\(x\)について微分せよ。
【解答】
対数関数の微分法で微分する。
両辺の対数を取ると、\((1)\)式が得られる。
$$\log y=\log(\sin x)^x=x\log (\sin x)\cdots(1)$$
合成関数の微分法より、左辺を微分すると、
\((\log y)’=\displaystyle \frac{y’}{y}\)であるから
両辺を\(x\)で微分すると、下記のように計算できる。
\begin{eqnarray}
\displaystyle \frac{d}{dx}\log y &=& \displaystyle \frac{d}{dx}x\log (\sin x) \\
\displaystyle \frac{y’}{y} &=& \log (\sin x)+\displaystyle \frac{x \cos x}{\sin x} \\
y’&=&y\left(\log (\sin x)+\displaystyle \frac{x \cos x}{\sin x}\right)\\
&=&(\sin x)^x\left( \log (\sin x)+\displaystyle \frac{x }{\tan x}\right)\end{eqnarray}
以上で計算は完了です。
複雑に見える対数微分法ですが、指数の肩に\(x\)が乗っている場合は積極的に使うことで、微分の計算がかなり楽になります!
今回は以上です!
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