中学1年生の最初に習う正負の数ですが、マイナスの数字が初めて登場します。
算数と数学の違いの基本になりますので、しっかり理解しておきましょう。このページで正負の数の重要事項をまとめていますので、テスト前などにもぜひご活用ください。
正負の数
符号のついた数
0を基準にしたとき、0より大きい数を「正の数」、0より小さい数を「負の数」といいます。
正の数は「正の符号+(プラス)」をつけて+5,+10.5のように表します。
負の数は「負の符号―(マイナス)」をつけて、-3,-6.3のように表します。
整数には、正の整数,0,負の整数があり、正の整数を「自然数」ともいいます。

数の大小
負の数を含めた数直線をかくとき、基準となる点0をとり、0より右側に正の数,左側に負の数をとります。
0を「原点」といいます。
数直線の右の方向を「正の方向」、左の方向を「負の方向」といいます。

負の数を含めた数の大小関係は不等号を使って表します。
例)

数直線上で、ある数に対応する点と原点との距離を、その数の「絶対値」といいます。
+3と-3は原点から3の距離にあるので、+3と-3の絶対値は3です。
0の絶対値は0です。

加法と減法
加法
足し算のことを「加法」といいます。加法の結果が「和」です。
〇同符号の数の加法
絶対値の和に共通の符号をつけます。
例)
① +2と+6の和

② -2と-6の和

〇異符号の数の加法
絶対値の大きい方から小さい方を引き、絶対値の大きい方の符号をつけます。
例)
① +8と-4の和

② -8と+4の和

〇絶対値が等しい異符号の数の加法
絶対値が等しい異符号の数の和は0です。
例)
+6と-6の和

加法では、加えられる数と加える数を入れ替えても、和は変わりません。
$a+b=b+a$・・・交換法則
加法では、数の組合せを変えても、和は変わりません。
$(a+b)+c=a+(b+c)$・・・結合法則
例)
① (+5)+(-9)+(-7)+(+6)
={(+5)+(+6)}+{(-9)+(-7)}
=(+11)+(-16)
=-(16-11)=-5
② (-8)+(+5)+(-3)+(+8)+(-1)
={(-8)+(+8)}+{(-3)+(-1)}+(+5)
=0+(-4)+(+5)
=+(5-4)=+1
減法
引き算のことを「減法」といいます。減法の結果が「差」です。
正負の数の減法は、引く数の符号を変えて加法になおして計算します。
例)
- (+5)-(+7)=(+5)+(-7)=-2
- (+3)-(-5)=(+3)+(+5)=8
- 0-(+6)=0+(-6)=-6
- 0-(-6)=0+(+6)=+6
0からある数を引くことは、その数の符号を変えることと同じです。
加法と減法の混じった計算
加法と減法の混じった式「4-8+9-3」という式を加法だけの式にすると
4-8+9-3=(+4)+(-8)+(+9)+(-3) となるので、
「4-8+9-3」は、+4,-8,+9,-3の4つの数の和を表しています。
これらの数を式4-8+9-3の「項」といいます。
「4-8+9-3」は項の和と考え、加法の交換法則や結合法則を使い次のように計算します。
4-8+9-3
=4+9-8-3 ←項を入れ替えます。
=13-11
=2
(計算結果が正の数のときは+の符号を省略できます。)
例)

乗法と除法
乗法
掛け算のことを「乗法」といいます。乗法の結果が「積」です。
2つの数の積の求め方は下記の通りです。
- 同符号の数では、絶対値の積に正の符号をつけます。
- 異符号の数では、絶対値の積に負の符号をつけます。
例)
- $(+8)\times(+2)=+(8\times2)=16$
- $(-8)\times(-2)=+(8\times2)=16$
- $(+8)\times(-2)=-(8\times2)=-16$
2つの正負の数の乗法では、掛けられる数と掛ける数を入れ替えても、積は変わりません。
$a\times b=b\times a$ ・・・乗法の交換法則
乗法では、数の組合せを変えても、積は変わりません。
$(a\times b)\times c=a\times (b\times c)$ ・・・乗法の結合法則
3個以上の数の積を求めるとき、積の符号は以下のようになります。
〇負の数が奇数個あるとき・・・積の符号は ー
〇負の数が偶数個あるとき・・・積の符号は +
例)

同じ数をいくつか掛けたものをその数の「累乗」といい、右かたに掛けた個数(「指数」)をつけて表します。
例えば、$5×5$は$5^2$(5の2乗),$2×2×2$は$2^3$(2の3乗) と表します。
2乗は「平方」、3乗は「立法」ともいいます。

例)

除法
割り算のことを「除法」といいます。除法の結果が「商」です。
2つの数の商の求め方は下記の通りです。
- 同符号の数では、絶対値の商に正の符号をつけます。
- 異符号の数では、絶対値の商に負の符号をつけます。
- 0を正の数で割っても負の数で割っても、商は0になります。(0でわる除法は考えません。)
- 割る数を逆数にして乗法に変えて計算できます。
例)

四則の混じった計算
四則の混じった計算をするときは、計算する順序に以下の決まりがあります。
- 加減と乗除の混じった計算では、乗除を先に計算します。
- 括弧のある式の計算では、括弧の中を先に計算します。
- 累乗のある式の計算では、累乗を先に計算します。
例)

正負の数について、以下の分配法則が成り立ちます。

例)

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