今回は有理化について解説していきます。
有理化とは何か、有理化の計算方法を説明するのはもちろんですが、なぜ有理化が必要か、という点にも入り込んでいきたいと思います。
有理化とは
有理化とは、分母にあるルートを外す計算のことです。
有理化は大きく2つのパターンに分けられます。
パターン1:\(\displaystyle \frac{3}{\sqrt{5}}=\frac{3\sqrt{5}}{5}\)
パターン2:\(\displaystyle \frac{3}{\sqrt{3}-\sqrt{2}}=3(\sqrt{3}+\sqrt{2})\)
の2パターンです。
それでは、有理化パターン1に絞って計算方法を解説します。
有理化のやり方
ここからは有理化の方法を解説します。
やり方は簡単!分母のルート\(\sqrt{\ }\)と同じ数を分母と分子にかけるだけ!例題を使って解説します。
例題:\(\displaystyle \frac{4}{\sqrt{3}}\)を有理化せよ
\(\displaystyle \frac{4}{\sqrt{3}}\)の場合は分母と分子に\(\sqrt{3}\)をかければOK
$$\frac{4}{\sqrt{3}}=\frac{4}{\sqrt{3}}\times\frac{\sqrt{3}}{\sqrt{3}}=\frac{4\sqrt{3}}{3}$$
なぜ有理化が必要なのか
$$\displaystyle \frac{\sqrt{3}}{\sqrt{5}},\ \displaystyle \sqrt{\frac{3}{5}},\ \displaystyle \frac{\sqrt{15}}{5}$$
この3つは全く同じ数を表しています。どれを書いても同じなのです。では、なぜ有理化が必要なのか。
実は、有理化が必要な数学的な理由はありません。(私には説明できないです。)
ただし、有理化した方がありがたい場合は2つ程あるかなと思います。
有理化する理由1:計算できるようになる
例えば、\(\displaystyle \frac{3}{\sqrt{5}}+\frac{4}{5}\)の計算の場合、有理化がないと計算ができません。
有理化ができれば、この複雑な数式を簡単にすることができます。
$$\frac{3}{\sqrt{5}}+\frac{4}{5}=\frac{3\sqrt{5}}{5}+\frac{4}{5}=\frac{3\sqrt{5}+4}{5}$$
有理化できないと計算ができませんよね。
有理化する理由2:表記が1つに確定する
さっきの式を使うと、
$$\frac{3\sqrt{5}+4}{5},\ \frac{4+3\sqrt{5}}{5}$$
の2つしか書きようがありません。有理化しないと書き方の候補がいくつもあることになります。
最初に紹介したやつも同じですよね。有理化することで一意に決まるのは数式の整理の観点では大きいです。
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