ヘロンの公式は、3辺の長さから三角形の面積を求める公式です。
このヘロンの公式の使い方と計算、注意点を解説していきます。
ヘロンの公式

三角形ABCの辺の長さをa, b, cとすると、面積Sは下記の式で表すことができる。
\begin{eqnarray}
S &=& \sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)} \\
ここで、s &=& \displaystyle \frac{a+b+c}{2}
\end{eqnarray}
ヘロンの公式の計算
ヘロンの公式の計算は2STEPで完了します。
ヘロンの公式計算2STEP
- \(s=\displaystyle \frac{a+b+c}{2}\)を計算する。
- \(S=\sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)}\)を計算する
以上です。
では例題を解きながら、ヘロンの公式を理解していきましょう。
例題1|ヘロンの公式基礎
3辺の長さが\(4,\ 5,\ 7\)の三角形の面積を求めよ。
例題1|解答と解説
STEP1: \(s\)を求めます。
\begin{eqnarray} s &=& \displaystyle \frac{a+b+c}{2} \\
&=& \displaystyle \frac{4+5+7}{2}\\
&=&8 \end{eqnarray}
STEP2: \(s\)を使って\(S\)を計算します。
\begin{eqnarray} S&=&\sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)} \\
&=&\sqrt{8(8-4)(8-5)(8-7)} \\
&=&\sqrt{ 96}\\
&=&4\sqrt{6} \end{eqnarray}
以上より、答えは\(4\sqrt{6}\)となります。
このように3辺の数字が簡単であれば難しい計算はありません。
ヘロンの定理|辺の長さがルートの場合
冒頭で説明しましたが、辺の長さにルートがあると、\(s\)が汚くなるのでヘロンの公式が使えません。
その場合はどうするかの解説をしていきたいと思います!
2種類の方法があるので、順番に解説していきます。
ルートがある場合のヘロンの公式計算方法
- 証明途中にある(1)の式を使って計算する
- 3辺から角度を求めて三角形の面積の公式を使う
2番はヘロンの公式を使わない、という選択肢になります。
面積が求められればなんでも良いので、個人的には2番がお勧めです。
では、例題を使って理解していきましょう。
例題2|ルートがある場合のヘロンの公式
3辺の長さが\(\sqrt{3},\ \sqrt{5},\ 2\)の三角形の面積を求めよ。
例題2|解答と解説
ヘロンの公式をそのまま使うと、\(s\)が汚くなってしまい、計算ができません。
そこで、証明中の式である
$$S=\displaystyle \frac{1}{4}\sqrt{(2ab)^2-(a^2+b^2-c^2)^2}\cdots(1)$$
を使います。
この式であれば、辺の長さ全てに2乗がついているので、ルートを無視して計算できます。
\begin{eqnarray} S &=& \displaystyle \frac{1}{4}\sqrt{(2\sqrt{15})^2-(3+5-4)^2}\\
&=& \displaystyle \frac{1}{4}\sqrt{60-16}\\
&=&\displaystyle \frac{1}{4}\times2\sqrt{11}\\
&=&\displaystyle \frac{\sqrt{11}}{2} \end{eqnarray}
よって、面積は\(\displaystyle \frac{\sqrt{11}}{2}\)となります。
【重要】三角関数の公式一覧
三角関数は公式を知っているかどうかで、勝負が決まります。
ヘロンの公式以外の重要公式もまとめたので、確認しましょう。
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