指数関数のグラフについて以下の3つのパターンを詳しく解説します!
- 基本のグラフ$y=a^x$($a>1$の場合と$0<a<1$の場合)
- $y=a^x$のグラフをx軸に関して対称移動したグラフ$y=a^{x+n}$
- $y=a^x$のグラフをx軸方向に平行移動したグラフ$y=-a^x\left(a>0\right)$
それぞれの特徴をひとつひとつ図を使って丁寧に解説します!
グラフは苦手だなと思っている人も、一緒にグラフをかいてみましょう。必ず指数関数のグラフがマスターできますよ!
指数関数のグラフと書き方
$a$を$1$ではない正の定数とするとき、xの関数$y=a^x$を、$a$を底(てい)とする指数関数といいます。
指数関数のグラフの形は下の図のようになります。

a>1のときは右上がり、0<a<1のときは右下がりのグラフです。
どちらもx軸より上にあります。これは、xが正の値でも負の値でも、yは必ず正の値になるということです。
x軸はグラフの漸近線であり、グラフはx軸に交わることはありません。
x=0のときy=a^0=1なので、グラフは必ず(0,1)の座標を通ります。また、$x=1$のとき$y=a^1=a$なので$(1,a)$を通ります。
それでは、$y=2^x$のグラフと$y=\left(\frac{1}{2}\right)^x$のグラフを書いてみましょう。
$y=2^x$のグラフ

グラフをかくときは、xに-1,0,1,2,…と代入してyの値を計算して求めましょう。(図参照)
(-1,1/2),(0,1),(1,2),(2,4)…と点を取り、なめらかな曲線になるようにつなげます。x<0の部分は(-1,1/2)を通り、あとはx軸に近づいて、沿うようにかきましょう。x軸は漸近線になるので、交わったり、くっついたりしないように気を付けましょう。
$y=2^x$のグラフは、点(0,1)を通り、右上がりの曲線です。
$y=\left(\frac{1}{2}\right)^x$のグラフ

$y=2^x$のときと同じようにyの値を求め、$(-3,8),\ (-2,4),\ (-1,2),\ (0,1),\ (1,\displaystyle \frac{1}{2}),(2,\displaystyle \frac{1}{4})$と点を取り、なめらかな曲線になるようにつなげます。こちらもx軸に交わらないように注意しましょう
$y=\left(\frac{1}{2}\right)^x$のグラフは点(0,1)を通り、右下がりの曲線です。
$y=2^x$と$y=\left(\frac{1}{2}\right)^x$の関係
$y=2^x$と$y=\left(\frac{1}{2}\right)^x$のグラフを重ねてみると、下の図のようになります。

2つのグラフはy軸に関して対称です。この2つのグラフのように、底が逆数の関係の2つのグラフはy軸に関して対称のグラフになります。
グラフの特徴まとめ
$y=a^x$のグラフ
- $a>1$のとき右上がり、$0<a<1$のとき右下がりである
- x軸を漸近線とし、点$(0,1),\ (1,a)$を通る。
- 底が互いに逆数のグラフはy軸に関して対称である。
マイナスの指数関数のグラフ
$y=-2^x$のグラフをかいてみましょう。ここで注意!この式の-(マイナス)は底がマイナスになっているわけではありません。
$y=-\left(2^x\right)$
このように式を書き直すとわかりやすいですね。
つまり$y=2^x$の関数のyの値にすべて-(マイナス)がつき、グラフは下の図のようになります。

$y=-2^x$のグラフは、$y=2^x$のグラフとx軸に関して対称です。
補足
底は必ず0より大きい値です。
なぜでしょうか。$y=\left(-2\right)^x$で考えてみましょう。
例えば$x=\displaystyle \frac{3}{2}$のとき$y=\left(-2\right)^\frac{2}{3}=\sqrt[2]{\left(-2\right)^3}=\sqrt{-8}$となり、√の中が負の値になり、虚数になってしまうので座標上に表せません。
xの値によってはyの値が虚数になる場合があるのです。
そのため、指数関数$y=a^x$では、a>0という条件になっています。
指数関数グラフの平行移動
$y=2^x$や$y=\left( \displaystyle \frac{1}{2}\right)^x$のグラフは基本となるグラフです。
この基本となるグラフを平行移動したグラフについて考えていきましょう。
$y=2^{x+1}$のグラフ
下の図は、$y=2^x$と$y=2^{x+1}$の指数関数のxに$-1,0,1,2,…$を代入した表です。

yの値に注目してください。xの値が-1変化したところに同じ値があるのがわかりますね。
この表をグラフに表すと下のようになります。

このように、$y=2^{x+1}$のグラフは$y=2^x$のグラフをx軸方向に-1だけ平行移動したグラフです。
$y=2^{x-1}$のグラフ
$y=2^{x-1}$のグラフを考えるために、$y=2^{x+1}$のときと同じように、表を作ってみます。

yの値はxの値が+1変化したところに同じ値があるのがわかりますね。
この表をグラフに表すと下のようになります。

このように、$y=2^{x-1}$のグラフは$y=2^{x}$のグラフをx軸方向に-1だけ平行移動したグラフです。
一般的に、$y=a^{x+n}$のグラフは$y=a^{x}$のグラフをx軸方向に-nだけ平行移動したグラフです。
指数の部分の符号と、平行移動する方向は逆になるので気を付けましょう。
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指数関数のグラフと書き方のまとめ
指数関数のグラフについて解説しました。
ポイントは下記の3つです。
1.指数関数$y=a^x$のグラフは、(0,1)を通ります。$a>1$のとき右上がり、$0<a<1$のとき右下がりのグラフになります。
2.$y=-a^x left(a>0\right)$のグラフは、$y=a^x$のグラフとx軸に関して対称です。
3.$y=a^{x+n}$のグラフは、$y=a^{x}$のグラフをx方向に-1平行移動したグラフです。式の形、符号をしっかり覚えましょう。
指数関数のグラフは、まず基本のグラフをしっかり頭に入れておきましょう。基本をもとにすると、対称移動のグラフや、平行移動のグラフがかきやすいですね。
指数関数の最大値、最小値をもとめたり、数の大小関係を考える問題に利用するので、ここでマスターしておきましょう!
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