空間図形のなかで出てくる「多面体」。
聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
今回は多面体について詳しく解説します。
多面体とはどのようなものなのか、また多面体の種類についても説明してきます。
ぜひ最後までご覧ください。
多面体とは?
多面体とは平面だけで囲まれた立体のことです。
たとえば、三角錐や直方体などがあげられます。
多面体は面の数によって名前がつけられていて、面が4つなら四面体、面が6つあるなら六面体と呼ばれています。
つまり、三角錐は面が4つあるので四面体、直方体は面が6つあるので六面体です。
また、へこみのない多面体のことを凸多面体といいます。
ちなみに円錐や円柱は曲線が含まれているため、多面体ではありません。
この点には注意しましょう。
正多面体とは?
正多面体とは、多面体のなかでも以下の2つの性質をもち、へこみがない特別な多面体です。
➀どの面も合同な正多角形である。
②どの頂点にも同じ数の面が集まっている。
また正多面体は正四面体、正六面体、正八面体、正十二面体、正二十面体の5種類しかありません。
ちなみに、正六面体は立方体のことです。
では、なぜ正多面体はこの5種類しかないのでしょうか。
ここで重要になってくるのが、凸多面体を作るための以下の性質です。
(1) 多面体の1つの頂点は、3つ以上の面が集まってできている。
(2) 1つの頂点に集まる角の大きさの和は360°より小さい。
はじめに、各面が正三角形でできている正四面体、正八面体、正二十面体について考えてみましょう。
正四面体は、1つの頂点に3つの正三角形が集まっています。
つまり、1つの頂点に集まる角の大きさの和は60°×3=180°となり、360°よりも小さくなります。
同様に、正八面体は1つの頂点に4つの正三角形が集まっているので、1つの頂点に集まる角の大きさは60°×4=240°です。
正二十面体は1つの頂点に5つの正三角形が集まっており、1つの頂点に集まる角の大きさは60°×5=300°になりますね。
それでは1つの頂点に6つの正三角形が集まった場合はどうでしょうか。
この場合、1つの頂点に集まる角の大きさは60°×6=360°となるため、6つ以上の正三角形が1つの頂点に集まることができません。
つまり、正三角形を各面にもつ正多面体は、正四面体、正八面体、正二十面体の3つのみであることがわかります。
また各面が正方形である正六面体、各面が正五角形である正十二面体についてはどうでしょうか。
正六面体は1つの頂点に正方形が3つ集まってできています。
つまり、1つの頂点に集まる角の大きさは90°×3=180°です。
では、1つの頂点に4つの正方形が集まるとどうなるでしょうか。
1つの頂点に集まる角の大きさが90°×4=360°となり、360°以上になってしまうため、立体を作ることができません。
つまり、各面が正方形の正多面体は正六面体のみです。
同様に正十二面体も1つの頂点に集められる正五角形は3つまでのため、各面が正五角形の正多面体は正十二面体のみになります。
また正多面体の面の形は正三角形、正方形、正五角形の3つのみです。
多面体の1つの頂点には3つ以上の面が集まる必要があり、集まる角の大きさは360°より小さくなければいけません。
しかし、正六角形の1つの角の大きさは120°であり、正六角形が3つ集まると、角の大きさの和は120°×3=360°となり、多面体を作れません。
つまり、正多面体の面は正三角形、正方形、正五角形の3つのみです。
オイラーの多面体定理
オイラーの多面体定理とは、どのような凸多面体でも(頂点の数)-(辺の数)+(面の数)=2が成り立つことです。
つまり、オイラーの多面体定理を使うことで、数えると大変になる頂点の数や辺の数を簡単に知ることができます。
それでは実際に正十二面体の辺の数を求めてみましょう。
正十二面体の面の数は「12」ですね。
次に頂点の数を考えていきます。
正十二面体は正五角形が12個あるので、5×12=60
ただし、1つの頂点に3つの点が集まっているので、60÷3=20
よって、正十二面体の頂点の数は「20」です。
正十二面体の辺の数はオイラーの多面体定理を用いると
20-(辺の数)+12=2
(辺の数)=30
よって、正十二面体の辺の数は30本です。
このように頂点の数、辺の数、面の数のうち2つがわかれば、残りの1つもオイラーの多面体定理を用いて求められます。
ぜひ覚えておきましょう。
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多面体とは?のまとめ
多面体について解説しました。
ポイントは下記の3つです。
- 多面体とは平面だけで囲まれた立体のことです。
- 正多面体とは、➀どの面も合同な正多角形である。②どの頂点にも同じ数の面が集まっている。を満たすへこみのない特別な多面体です。
- オイラーの多面体定理とは、どのような凸多面体でも(頂点の数)-(辺の数)+(面の数)=2が成り立ちます。
多面体のなかでも、よく出てくるのが「正多面体」です。
正多面体は正四面体、正六面体、正八面体、正十二面体、正二十面体の5種類しかないことを覚えておきましょう。
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