「約数」という言葉を聞いたことはありますか?
約数とは、ある整数を割り切ることができる数です。
こちらの記事では正の約数の個数や総和について詳しく解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
公式まとめ
正の約数の個数と総和は以下のように求められます。
自然数$N$の素因数分解が$N=P^a\cdot q^b\cdot r^c$となる場合
正の約数の個数は$(a+1)(b+1)(c+1)$
正の約数の総和は$(1+p+p^2+\ldots+p^a)(1+q+q^2+\ldots+q^b)(1+r+r^2+\ldots+r^c)$
これから正の約数の個数と総和の求め方を詳しく解説します。
一つ一つ理解していきましょう。
約数の個数の求め方
正の約数の個数は、自然数Nの素因数分解がN=p^a・q^b・r^c…となる場合、$(a+1)(b+1)(c+1)…$で求められます。
実際に正の約数の個数を求めてみましょう。
では18の約数はいくつあるでしょうか。
まずは公式を使わずに考えてみると、約数は18を割り切れる数なので、1、2、3、6、9、18の6個であることがわかります。
では公式を用いて、正の約数を求めてみましょう。
18を素因数分解すると、$18=2・3^2$
つまり、18の約数の個数は$(1+1)(2+1)=2・3=6$となり、先ほどと同じく18の約数は6個と求められました。
18は値が小さいため、公式を使わずに、簡単に正の約数の個数を求めることが可能です。
では360の正の約数の個数はいくつあるでしょうか。
360の正の約数を1つずつ数えていくのはとても大変ですよね。
また正の約数の個数も多くなるため、数え忘れてしまう場合もあるでしょう。
そのため、値が大きな場合は公式を使って正の約数の個数を求めることがおすすめです。
360を素因数分解すると、$360=2^3・3^2・5$
よって360の正の約数の個数は$(3+1)(2+1)(1+1)=4・3・2・=24$
したがって、360の正の約数は24個と求められました。
以上のように、正の約数の個数を求める公式は数字の値が大きくなればなるほど必要になってきます。
実際にほかの数字の正の約数の個数も求めてみてくださいね。
約数の総和の求め方
次に正の約数の総和を求めてみましょう。
正の約数の総和は、自然数\(N\)の素因数分解が\(N=p^a\cdot q^b\cdot r^c\)となる場合、$(1+p+p^2+\ldots+p^a)(1+q+q^2+\ldots+q^b)(1+r+r^2+\ldots+r^c)$ で求められます。
それでは実際に18の正の約数の総和を求めてみます。
18を素因数分解すると、\(18=2\cdot3^2\)でしたね。
つまり$(1+2)(1+3+9)=3\cdot13=39$
よって、18の正の約数の総和は39と求められました。
また、18の正の約数は1、2、3、6、9、18の6個なので、実際に1つずつ足し算をしてみても正の約数の総和が39だとわかります。
では360の正の約数の総和を求めてみましょう。
360の正の約数を1つずつ出して、足し算をしていくことはとても時間がかかり、計算ミスも起こしやすいため、現実的ではありません。
値が大きいときは正の約数の総和を求める公式を使っていきましょう。
360を素因数分解すると、\(360=2^3\cdot3^2\cdot5\)。
よって、360の正の約数の総和は$(1+2+4+8)(1+3+9)(1+5)=15\cdot13\cdot6=1170$
したがって、360の正の約数の総和は1170と求められます。
正の約数の個数を求めるときと同様に、数字の値が大きくなればなるほど公式を使うと便利です。
ただし、計算ミスは多くなるところなので、その点には注意しましょう。
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公式まとめのまとめ
正の約数について解説しました。
ポイントは下記の3つです。
自然数$N$の素因数分解が$N=p^a \cdot q^b \cdot r^c$…となる場合、
- 正の約数の個数は$(a+1)(b+1)(c+1)$で求められます。
- 正の約数の総和は$(1+p+p^2+\ldots+p^a)(1+q+q^2+\ldots+q^b)(1+r+r^2+\ldots+r^c)$で求めることが可能です。
- 正の約数の個数と総和を求めるときは、まず素因数分解をしましょう。
正の約数の個数や総和を求めるときは、素因数分解をすることが大切です。
また計算も多くなるので、計算ミスには十分注意しましょう。
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