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[数A]三垂線の定理とその証明をわかりやすく解説

「三垂線の定理」を聞いたことはありますか?

「垂線」とは、直線や平面と垂直(90度)に交わる直線のことです。

つまり三垂線の定理は、垂直に交わる直線の定理であることが名前からわかります。

今から三垂線の定理について詳しく解説します。

一緒に考えていきましょう。

目次

三垂線の定理とは

三垂線の定理とは、以下のことが成り立つ定理です。(参考図1)

三垂線の定理

平面α上に直線lとl上にない点Oをとります。Pを平面α上にない点とし、直線l上に点Aをとるとき、

  • PO⊥α、OA⊥l⇒PA⊥l
  • PO⊥α、PA⊥l⇒OA⊥l
  • PA⊥l、OA⊥l、PO⊥AO⇒PO⊥α

が成り立ちます。
つまり、三垂線の定理は直線と平面の関係を示した定理です。

図をイメージしながら1つずつ理解しましょう。

三垂線の定理の証明

なぜ三垂線の定理は成り立つのでしょうか。

三垂線の定理の証明で大切になるのが、直線と平面の垂直についてです。

ここで、直線と平面が垂直になる条件を確認しましょう。

直線と平面が垂直であるとき、以下の2つが成り立ちます。

(1) 直線hが平面αに垂直ならば、hはα上のすべての直線に垂直です。(図2)

直線と平面が垂直になる条件

(2) 平面αと交わる直線hが、α上の交わる2直線m、nに垂直ならば、直線hは平面αに垂直です。(図3)

直線と平面が垂直になる条件

この2つの条件を使いながら、三垂線の定理を証明していきます。

それでは1つずつ見ていきましょう。

証明①

まずは①PO⊥α、OA⊥l⇒PA⊥lについて証明します。

直線lは平面α上にあり、PO⊥αなので、PO⊥l

仮定より、OA⊥l、

以上のことから、平面AOP⊥l

PAは平面AOP上にあるので、PA⊥lが成り立ちます。

証明②

次に②PO⊥α、PA⊥l⇒OA⊥lについて考えていきましょう。

直線lは平面α上にあり、PO⊥αなので、PO⊥l

仮定より、PA⊥l

よって、平面AOP⊥l

OAは平面AOP上にあるので、OA⊥lが成り立ちます。

証明③

最後は③PA⊥l、OA⊥l、PO⊥AO⇒PO⊥αです。

PA⊥l、OA⊥lより、平面AOP⊥l

よって、PO⊥l

また、仮定よりPO⊥AO

lとAOは平面AOP上の交わる2直線なので、PO⊥αが成り立ちました。

どの証明も直線と平面の垂直の性質がとても重要です。

この機会に直線と平面の垂直についても確認しておきましょう。

三垂線の定理の覚え方

三垂線の定理は公式が複雑で、覚えにくいと思っている人も多いのではないでしょうか。

しかし、考え方は簡単です。

2直線が垂直であること、また直線と平面が垂直であることの性質のみ理解しておけばよいでしょう。

➀PO⊥α、OA⊥l⇒PA⊥lと②PO⊥α、PA⊥l⇒OA⊥lに関しては、1つの直線と平面が垂直ならば、2直線の垂直がわかります。

また③PA⊥l、OA⊥l、PO⊥AO⇒PO⊥αは、3つの2直線の垂直がわかると、平面と直線の垂直がわかります。

はじめは難しいと感じるかもしれませんが、何度も図をみながら確認するとよいでしょう。

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三垂線の定理とは、まとめ

三垂線の定理について解説しました。
ポイントは下記の3つです。

  • 三垂線の定理とは、平面α上に直線lとl上にない点Oをとり、Pを平面α上にない点として、直線l上に点Aをとるとき、➀PO⊥α、OA⊥l⇒PA⊥l、②PO⊥α、PA⊥l⇒OA⊥l、③PA⊥l、OA⊥l、PO⊥AO⇒PO⊥αが成り立つ定理です。
  • 三垂線の定理は直線と平面の関係を示しています。
  • 直線と平面の垂直の性質を復習しておきましょう。

三垂線の定理はあまり頻繫に出てくる定理ではありません。

しかし、直線と平面の垂直の性質さえ理解しておけば、証明も簡単にできる定理です。

この機会に直線と平面について復習しておくといいですね。

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