対数関数について説明します。
まず対数の意味を簡単に説明します。
そのあとに対数の性質や対数関数、対数関数のグラフを解説することで、理解を深めてもらえたらと考えています。
「そもそも関数って何??」
という質問には別のページでしっかり解説しました。5分-10分程度で読み終わるので、一度目を通してみてはいかがでしょうか。
≫そもそも【関数】・【グラフ】とは何か|これで数学は怖くなくなる!≪
対数とは
簡単に言うと、対数は指数の逆を表しています。
【例】\(2^3=8 \leftrightarrow \log_28=3\)
左側を指数、右側を対数と呼びます。指数は「2を3乗すると何でしょうか?」という問題です。
それに対して対数は2を何乗すると8になるでしょう。と聞いています。

1度聞いただけでは難しいと思いますので、練習問題を用意しました。時間があったらトライしてみてください!
この対数と指数の関係を文字で表すと対数とは何かの答えになります!
ただし、\(a>0,\ a\neq1,\ N>0\)
\(a>0\):aがマイナスだと成り立たない
【例】\(\log_{-2}8=??\)
これだと\(2^{-3}=-8\)なので、どうやっても8になりませんよね!負の数だとダメなケースがあるため禁止されています。
\(a\neq1\):1を何乗しても1
【例】\(\log_19\)
たとえ1を1000乗しても1にしかなりませんね。
\(N>0\):Nがマイナスだと成り立たない
【例】\(\log_3{-27}\)
3を何乗しても負の数にはなりません。
といった理由で3つの条件が付いています。難しく感じるかもしれませんが、「こういうもの!」と一度、無理矢理飲み込んで先に進みましょう!
すぐ慣れますよ。
ここで、1つだけ対数関数に関わる用語【底(てい)】を紹介しておきます!
底(てい)
対数の底(てい)$$m=\log_aN \leftrightarrow a^m=N$$
このaを対数の底(てい)と言います。底は今後も出てくるので、覚えておいても損はありません。
この対数を関数にすると対数関数になるのですが、その前に対数の性質を知っておきましょう!
対数の性質|6個
対数の性質は6個あります。
【性質】と【公式】ってどう違うの?って質問がたまにありますが、【性質】は超簡単な公式ってイメージでいいと思います。
では、6つの性質を3つずつに分けて見ていきましょう。まずは最初の3つからです。
対数の性質(1)-対数自体の性質3つ
対数の性質(1)
\(a>0, a\neq1, N>0\)のとき
- \(\log_a1=0\)
- \(\log_aa=1\)
- \(a^{\log_aN}=N\)

では、1つずつ説明します。
①\(\log_a1=0\)
\(\log_a1\)は「aを何乗したら1になりますか?」って聞いてます。\(a\)には色んな数字が入ります。
でも、\(a\)が何であろうと、\(a^0=1\)ですよね。なので、\(\log_a1=0\)です。
【例】\(\log_71=0 \leftrightarrow 7^0=1\)
②\(\log_aa=1\)
\(\log_aa\)は「aを何乗したらaになりますか?」って意味です。そりゃあ1乗でしょ!って声が聞こえてきそうですが、その通りです!笑
【例】\(\log_77=1 \leftrightarrow 7^1=7\)
③\(a^{\log_aN}=N\)
これが少しややこしいかもですが、パズルみたいなもんです。笑
\(a^{\log_aN}=N\)は「aを\(\log_aN\)乗したら何になりますか?」って意味です。ここで、\(\log_aN\)は「aを何乗したら\(N\)になりますか?」って意味です。
つまり、aを\(\log_aN\)乗したらNですね!
例えば、\(\log_aN=m\)として指数で表すと、
$$\log_aN=m \leftrightarrow a^m=N$$
となります。少しは掴めましたか?
【例】\(2^{\log_28}=8 \rightarrow \log_28=3\)
対数の性質(2)-対数の計算に関する性質3つ
前半の3つを攻略しましたね!では後半の3つに移りましょうー
対数の性質(2)
- \(\log_aMN=\log_aM+\log_aN\)
- \(\log_a\frac{M}{N}=\log_aM-\log_aN\)
- \(\log_aM^p=p\log_aM\)
なんとなく、掛け算が足し算に、割り算が引き算になるイメージです。では1つずつ解説します。
さっきよりは少し難しいので、いきなり【例】からいきますね。
①\(\log_aMN=\log_aM+\log_aN\)
【例】\(\begin{eqnarray} \log_{10}1000&=&\log_{10}(10\times100)\\
&=&\log_{10}10+\log_{10}100\\
&=&1+2=3
\end{eqnarray}\)
\(1000\)は\(10^3\)なので答えは合ってますよね!
\(\log\)の中身は掛け算を分解して足し算にできるってことを、一旦頭に入れておくと良いでしょう!
②\(\log_a\frac{M}{N}=\log_aM-\log_aN\)
【例】\(\begin{eqnarray} \log_{10}\frac{1000}{10}&=&\log_{10}1000-\log_{10}100\\
&=&3-1=2
\end{eqnarray}\)
こんなのいつ使うの?と思うかもしれませんが、使います!(断言)
ここでもさっきと同様に「\(\log\)の中の割り算は引き算に分解できる」と知っておきましょう!
③\(\log_aM^p=p\log_aM\)
6つあった【性質】も最後の1個です!
\(a^{\log_aM}=M\)という性質が対数の性質(1)にあったのを覚えていますか?これを少しいじります。
\(\begin{eqnarray}a^{p\log_aM}&=&(a^{\log_aM})^p\\&=&M^p\end{eqnarray}\)
よって、\(\log_aM^p=p\log_aM\)となります。
【例】
\(\log_24^2=\log_216=4\)
\(\log_24^2=2\log_24=2\times2=4\)
6つの対数の性質が終わりました。よく頑張りました。ここからはいよいよ、【対数関数】の説明に移ります。
ここまで【対数】をしっかりやったので、自信を持って理解していきましょう。
対数関数とは何か
対数関数の解説に入ります。文字通り対数の関数です。関数はある入力(x)に対して、何か出力(y)を出す機械のようなものです。

関数のイメージ<関数の詳しい解説>
対数関数はこの機械の中身が対数関数になるだけで、何かを入力したら、何かが出力されるだけです。
その対数関数も1つの式で表せます。その式がこちら。
対数関数$$y=\log_ax$$
突然これが出てくると困惑すると思います。しかし、先に対数の意味を理解してるので、ここからの理解は早くなりますよ。
この式の\(x\)が入力、\(y\)が出力、そして\(a\)が底となります。
またこの式を、aを底とする対数関数と呼びます。
つまり、\(y=\log_{10}x\)であれば、10を底とする対数関数と呼びます。
【例】\(y=\log_2x\cdots2\)を底とする対数関数
対数関数は関数なので、入力xに対して出力yが出てきます。

【例】\(y=\log_2x\)
(補足)\(2^{-1}=\frac{1}{2}=0.5 \rightarrow \log_2{0.5}=-1\)
これらの点を打って線でつなぐとグラフになります。

対数関数の説明は以上です。
では、ここから対数関数のグラフを詳しく見ていきましょう!
グラフは大きく分けて2種類
対数関数のグラフは大きく2種類に分けられます。
\(y=\log_ax\)で、
\(a>1\)か、\(0>a>1\)かの2つです。
【例】
\(a>1\cdots2, 10\)など
\(0>a>1\cdots0.5, 0.1\)など
つまり、\(a\)が\(1\)より大きいか小さいかです。
実際のグラフはこうなります。

ここでは例として\(a=2\)と\(a=\frac{1}{2}\)としました。
\(x\)が大きくなると、上に行くか下に行くかの違いがありますね。
次に対数関数の性質を知っておきましょう!今回はたったの4つです。
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対数関数の性質
(2)グラフは、点\((1, 0)\)1と\((a, 1)\)を通る
(3)グラフは、\(y\)軸を漸近線(ぜんきんせん)とする
(4)\(a>1\)なら単調に増加、\(0>a>1\)なら単調に減少する
(1)\(x\)は\(x>0\)、\(y\)は全体
対数関数では、xはマイナスになりません。なぜなら、計算できないからです。
【例】\(y=\log_2(-4)\)
2を何乗してもマイナスにはなりませんよね!逆に\(y\)はマイナスでもプラスでもOKなので全体です。

(2)グラフは、点\((1, 0)\)1と\((a, 1)\)を通る
$$y=\log_ax$$
で、
\(x=1\)のとき\(y=0\)です。\(y=\log_a1=0\)
逆に\(y=\log_aa=1\)ですよね。つまり、\(x=a\)のとき\(y=1\)です。つまり\((1, 0), (a, 1)\)を通ります。

パッと見ややこしいですが、4本のグラフを書いてみました。全てのグラフが\((1, 0)\)を通っていますね。\(a=2, 5, 10, 0.5\)の4本書いたのですが、全て\((a, 1)\)を通ていることも分かりますね!
【例】
\(y=\log_2x\rightarrow(2, 1)\)を通る
\(y=\log_10x\rightarrow(10, 1)\)を通る
(3)y軸を漸近線(ぜんきんせん)とする
(4)\(a>1\)なら単調に増加、\(0>a>1\)なら単調に減少する。

今回の解説は以上となります。
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