等差数列の和の証明をしていきましょう!証明する公式はこちら。
$$S_n=\frac{n(a_1+a_n)}{2}$$
$$S_n=\frac{n{2a+(n-1)d}}{2}$$
等差数列の和の証明
以下証明です。
ーーーここから↓ーーー
\(初項a, 公差d\)の等差数列の初項から第n項までの和を\(S_n\)とする。\(^{*1}\)
$$S_n=a_1+a_2+a_3+ \cdots +a_n\cdots(1)$$
$$S_n=a_n+a_{n-1}+\cdots+a_2+a_1\cdots(2)$$
(1)+(2)をすると、
$$\begin{align} 2S_n &= (a_1+a_n)+(a_2+a_{n-1})+\cdots+(a_n+a_1)
\\&= (a_1+a_n)+(a_1+a_n)+\cdots+(a_1+a_n)^{*2}\\&= n(a_1+a_n) ^{*3} \end{align}$$
以上より、$$S_n= \frac{1}{2} n(a_1+a_n)$$
ここで\(a_1=a, a_n=a+(n-1)d\)を代入すると
$$S_n=\frac{1}{2}n[a+(n-1)d]$$
ーーーここまで↑ーーー

ここから証明の解説をしていきます。証明内の\(^{*}\)を中心に解説しますね!
証明の詳しい解説!
*1について
\(初項a, 公差d\)の等差数列の初項から第n項までの和を\(S_n\)とする。^{*1}
$$S_n=a_1+a_2+ \cdots +a_{n-1}+a_n\cdots(1)$$
$$S_n=a_n+a_{n-1}+\cdots+a_2+a_1\cdots(2)$$
とありましたね。これは初項から第n項までを足したのが(1)式。それを逆さまにしたのが、(2)式って意味になります。
この様に片方を逆さまにすることで、非常に証明が楽になります。それについての説明は\(^{*2}\)で行います。
*2について
(1)+(2)をすると、
$$\begin{align} 2S_n &= (a_1+a_n)+(a_2+a_{n-1})+\cdots+(a_n+a_1)
\\&= (a_1+a_n)+(a_1+a_n)+\cdots+(a_1+a_n) ^{*2}
\end{align}$$
ここでは
$$\begin{align}(a_2+a_{n-1}) &= (a_1+a_n)
\\ (a_3+a_{n-2}) &= (a_1+a_n)
\\(a_4+a_{n-3}) &= (a_1+a_n)\end{align}$$
という変形をずーっと繰り返しています。例えば
$$a_3=a_1+d+dで、a_{n-2}=a_n-d-d$$
となり、これを足し合わせると$$(a_3+a_{n-2}) = (a_1+a_n)$$
になります。
文字だけの説明だと分かりにくかったかもしれません。具体的な数字で見てみましょう。
等差数列の和を具体的な数字で見てみる
初項2、公差3の等差数列の初項から第6項までの和を考えましょう。数列はこのようになります。和を取りましょう!
$$2, 5, 8, 11, 14, 17$$
この順番で足す式と逆から足す式を考えます。
$$S_n=2+5+8+11+14+17$$
$$S_n=17+14+11+8+5+2$$
この2つの式を足してみますと・・・
$$2S_n=19+19+19+19+19+19$$
と同じ数字が並ぶことがわかります。\(19\times6\)になり、\((a_1+a_n)\times n\)となります。ただしこれは\(2S_n\)なので、最後に\(2\)で割ることで和を求めることが可能です。
POINT等差数列の和
ひっくり返して足すと、同じ数が並びます!
*3について
$$\begin{align} 2S_n &= (a_1+a_n)+(a_2+a_{n-1})+\cdots+(a_n+a_1)
\\&= (a_1+a_n)+(a_1+a_n)+\cdots+(a_1+a_n) ^{*2}
\\&= n(a_1+a_n) ^{*3} \end{align}$$
*2でも説明した通り、同じ数\((a_1+a_n)\)がn個できます。なのでそれらの和を取ると上に書いたような変形となるのです!
等差数列の和:まとめ
POINT1. 等差数列の和はひっくり返して足す。
2. n個だけ同じ数字が現れる。
3. \(2S_n\)なので、最後に2で割るのを忘れない!
以上となります。
等差数列の解説から来た人は、そちらへ戻りましょう〜!

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