三角形の合同条件は3つあります。
それらを暗記してしまえたら、あとは証明問題の練習が必要です。
しかし、「なんでこれが合同条件なの?」という疑問や、証明の難しさで苦戦しますよね。
今回は、合同条件の疑問や証明問題について、一緒に考えてもらいたいと思います。
この問題にチャレンジするにあたって、「三角形の内角の和が180°になること」を覚えておいてください。
また、平行線の錯角や同位角が等しいことと、対頂角が等しいことも思い出せるといいですね。
下記の記事が参考になりますよ!
※参考記事
[中2]多角形の内角の和の求め方と証明
[中2]錯角とは、同位角とは、対頂角とは|対頂角が等しい理由も解説
三角形の合同とは?
三角形の合同とは、「2つの三角形の、内角や辺の長さがそれぞれ等しい関係」のことです。
具体例を話すと、三角形ABCと三角形DEFの2つがあるとして、以下の関係にある場合のことです。
【三角形ABC】
$∠A=50°$、$∠B=70°$、$∠C=60°$
$AB=6㎝$、$BC=5㎝$、$CA=7㎝$

【三角形DEF】
$∠D=50°$、$∠E=70°$、$∠F=60°$
$DE=6㎝$、$EF=5㎝$、$FD=7㎝$

それぞれの内角、3辺の大きさが一緒になっていますね。
この状態が、「三角形ABCと三角形DEFは合同である」ということです。
記号で書くと「$△ABC≡△DEF$」となり、「三角形ABC 合同 三角形DEF」と読みます。
しかしながら、問題では、限られた情報から2つの三角形が合同であることを証明しなければありません。
合同であるかどうかは、例のように三角形の詳細がわからなくても、一部がわかっていれば合同と言える「三角形の合同条件」があります。
次はその条件について紹介します。
三角形の合同条件
三角形が合同であると言える条件は、以下の3つです。
- 3組の辺がそれぞれ等しい
- 2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい
- 1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい
なぜこの条件で合同と言えるか、1つずつ解説します。
3組の辺がそれぞれ等しい
これは3組の辺の長さが、前述の三角形ABCと三角形DEFのように「全く一緒」であれば、内角も自動的に一緒になるからです。
3組の辺の大きさが等しいとき、内角も等しくなるため、3組の辺がそれぞれ等しいと合同だと言えます。
2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい
2組の辺の長さがそれぞれ等しいだけでは、いろんな三角形を作れてしまいます。
しかし、その間の角が等しいと決まることで、残り1つの辺の長さが、自動的に決まることになります。
わかりやすく、下の図の三角形で考えましょう。

$GH$と$IG$の長さがどちらも$4㎝$と決まっていて、間の角度が明確であれば、$∠H$と$∠I$の角度は$70°$であると断定できます。

$GH$と$IG$が$4㎝$より短くなってしまったとしたら、図3のときの$HI$が合わなくなってしまうんです。
そのため、2組の辺がそれぞれ等しいとわかってしまえば、残り1辺も一緒であるとわかります。
1組の辺とその両端の角がぞれぞれ等しい
まずは両端の角度、つまり2ヶ所の角が決まった場合、残り1つの角も決まりますよね。
そのうえ、辺が1ヶ所の長さが決まると、他の2辺も決まった長さにならないと角度がおかしくなってしまいます。
したがって、1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいことは、三角形の合同の条件と言えるのです。
三角形の合同の例題
言葉の使い方に困る人が多い証明問題ですが、例題とその解説をご用意しました。
解説を読む前に、どの条件を使うべきか考えてみましょう。
【例題】
図5において、$△JKN$と$△LMN$が合同であることを証明しなさい。
なお、$JK//ML$であり、$JK=ML$とする。

【解答】
△JKNと△LMNにおいて、
仮定よりJK=ML…①
∠KJN=∠MLN=50°…②
また、平行線の錯角は等しくなるため、
∠JKN=∠LMN…③
①②③より、1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので
△JKN≡△LMN(証明終わり)
【解説】
証明の書き方として、まずはどの図形についてふれるかを冒頭に書く必要があります。
ここでは「△JKNと△LMNにおいて」の部分ですね。
また、先に文章の中や図に明記されている部分を、証明に使う根拠として書きます。
この図では、対頂角である∠JNK、∠LNMを使いたくなりますが、そうすると以「JNとLN」の組について関係をはっきりさせなければなりません。
この問題では長さの関係を追求できないので、合同である条件としてふさわしくないのです。
また、平行であることは利用する問題はかなりたくさんあります。
「同位角」や「錯角」の位置関係も覚えておくと有利になりますよ。
三角形の合同条件まとめ
三角形の合同条件について解説しました。
ポイントは下記の3つです。
- 合同とは、2つの三角形の辺や角度が全く一緒であること。
- 合同条件は一部の角の組や辺の組がわかっているだけでもOK。
- 証明では、条件に合わせて図からわかることを選ぶ。
証明などは特に、どんな言い回しをするべきかで悩む人も多い問題です。
使えそうな条件に目星をつけてから証明を書き進めていきましょう。
「なぜ合同と言えるか」は合同条件を示すことで、証明できます。
証明するためにも。合同条件の暗記は必須です!しっかり覚えましょう。
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