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[数1]二次関数の最大値最小値の求め方を解説、定義域がある場合

これから二次関数の最大値と最小値の求め方について解説します。
二次関数の最大値と最小値は多くの人が難しいと感じるところではないでしょうか。

しかしポイントを押さえることで、問題がとても解きやすくなります。
しっかり自分なりにコツをつかんで、二次関数の最大値と最小値を求められるようになりましょう。

目次

二次関数の最大値最小値|定義域がある場合

それでは実際に二次関数の最大値と最小値を求めましょう。

二次関数 $y=x^2-2x-2\quad(-2\leq x\leq3)$ の最大値と最小値を求めます。まずはこの二次関数がどのようなグラフなのかを知るために平方完成しましょう。

\begin{aligned} y &= x^2-2x-2 \\ &= (x^2-2x+1)-3 \\ &= (x-1)^2 – 3 \end{aligned}

その結果、頂点が $(1,-3)$ のグラフだとわかるので、実際にグラフをかくと下記の図になります。

今回は $x$ の範囲が $-2\leq x\leq3$ と決められているので、グラフの赤色の部分にだけ着目します。最大値は $y$ の値が一番大きいところ、最小値は $y$ の値が一番小さいところです。つまりグラフを見ると、 $x=-2$ のとき $y$ の値が一番大きく、 $x=1$ のとき $y$ の値が一番小さいですね。よって最大値は $x=-2$ のときの $y$ の値、つまり $y=6$ です。

\begin{aligned} y &= (x-1)^2 – 3 \\ &= (-2-1)^2 – 3 \\ &= 6 \end{aligned}

最小値は頂点でもある $x=1$ のとき $y=-3$ になります。このように、最大値と最小値はグラフをかいて可視化するとあっという間にわかります。しっかりグラフをかいて問題を解いていきましょう。

二次関数の最大値最小値|定義域に文字がある場合

次は$a>0$のとき、二次関数$y=x^2-4x+5(0\leq x\leq a)$の最大値と最小値を求めていきましょう。 先ほどの問題と違うところはどこだかわかりますか?

大きな違いは定義域に文字が含まれていることです。つまり$a$の値によって最大値と最小値が異なります。 このようなときは$a$の値によって場合分けをして考える必要があるため注意しましょう。

それでは最大値から求めていきます。 まずはこの二次関数がどのようなグラフかを実際にかきます。 平方完成すると$y=(x-2)^2+1$となり、頂点が$(2,1)$のグラフだとわかるので、グラフは図4のようにかけますね。

$$y=x^2−4x+5=(x−2)^2+1$$

では最大値がどのように変化していくか考えていきましょう。 今回の場合、$a$の値によって3つの場合に分けて考える必要があります。 図5のように、

  1. $x=0$が最大値をとる場合
  2. $x=0$と$x=a$の両方で最大値をとる場合
  3. $x=a$で最大値とる場合

の3つが存在します。

では最大値の値が$x=0$のときから$x=a$に変わる場所はどこでしょうか? 図5をみると②の場合を境に、最大値をとる$x$の値が変化しています。つまり$y=5$となる点をもう一つ探せばいいのです。

では$y=5$をとる点は$x=0$ともう一つはどこでしょうか? 答えは$x=4$です。

二次関数のグラフは左右対称のグラフなので、軸である$x=2$に対して対称な点と$y$の値は等しくなります。 つまり、①$0<a<4$のとき最大値は$x=0$で最大値は$5$です。

そして②$a=4$のときに限り、$x=0$のときと$x=4$で$y$の値が等しくなるので、この$2$点で最大値$5$をとります。 さらに③$4<a$になると最大値が$x=0$から入れ替わり、$x=a$で最大値$a^2-4a+5$になります。

このように$a$の値によって、最大値が変化していきます。 まとめると最大値は ①$0<a<4$のとき、$x=0$で最大値$5$ ②$a=4$のとき、$x=0,4$で最大値$5$ ③$4<a$のとき、$x=a$で最大値$a^2-4a+5$ と求めることができます。

次は最小値を求めましょう。 このグラフで一番$y$の値が小さくなるのはどの点かわかりますか? 答えは頂点です。 つまり、定義域に頂点が含まれる場合と含まれない場合の2つに場合分けする必要があります。 図で表すと次のとおりです。(図6)

つまり①$0<a<2$の場合と②$2\leq a$の場合に場合分けする必要があります。 では①の場合、最小値はどうなるでしょうか。 図をみてわかるように$x=a$のとき最小値をとります。 よって、$x=a$のとき最小値は$a^2-4a+5$です。

②の場合は$a$の値がどれだけ増加しても、最小値は頂点なので、$x=2$で最小値$1$です。よって最小値は ①$0<a<2$のとき、$x=a$で最小値$a^2-4a+5$ ②$2\leq a$のとき、$x=2$で最小値$1$と求めることができました。以上のように、定義域に文字が含まれている場合、ある点を境に最大値と最小値が変わります。

この点がどこなのかを自分で見つけられるようになりましょう。

二次関数の最大値最小値|式に文字が入っている場合

最後は$a$を定数とする二次関数$y=x^2-2ax+a \quad (0 \leq x \leq 2)$の最大値と最小値を求めます。 今回は二次関数の式に文字が含まれていますね。 この場合はどのように二次関数の最大値と最小値を求めるのでしょうか。 一緒に考えていきましょう。

まず二次関数を平方完成すると、$y=(x-a)^2-a^2+a$ です。 この二次関数は頂点が$(a,-a^2+a)$のグラフだとわかります。 つまり、今回の二次関数は頂点が$a$の値によって変化します。 その点に注意しながら、問題を解いていきましょう。

はじめに最大値を求めます。 今回の場合も最大値は3つのパターンに場合分けして考える必要があります。(図7)

最大値の値が等しくなる②のときの$a$の値は何でしょうか? 答えは1です。 $x=0$と$x=2$のちょうど真ん中に頂点がきます。 つまり$x=1$のとき、最大値は等しくなります。 このとき最大値は$x=0,1$のとき1です。

それでは①の場合を考えます。 ①の場合は頂点の$x$座標が$x=1$より小さければよいので、$a$の範囲は$a<1$です。 この場合は$x=2$のときに最大値をとるので、$x=2$を代入すると$y=2^2-2a×2+a=4-3a$。 よって最大値は$4-3a$です。 最後に③の場合を考えます。 ③のとき$a$の範囲は$1<a$ですね。 この場合、$x=0$のとき最大値をとります。 よって$x=0$を代入すると、$y=0^2-2a×0+a=a$。 したがって求める最大値は$a$です。

以上から最大値は $a<1$のとき、$x=2$でて最大値は$4-3a$ $a=1$のとき、$x=0,2$でて最大値は1 $1<a$のとき、$x=0$で最大値$a$と求めることができました。

次は最小値を求めます。 最大値と同じように、頂点の位置によって最小値の値が変わってきます。

今回は次の3パターンに分けて考えましょう。(図8)

図8より頂点が定義域の$0 \leq x \leq 2$の範囲より左側か、その中か、右側かによって最小値が変わります。

では①の場合から考えていきます。 ①は頂点の$x$座標が$x=0$より小さいときで、この場合の最小値は$x=0$のときです。 よって$a<0$のとき、最小値は$a$と求めることができます。 ②の場合は頂点が$0 \leq x \leq 2$の間に存在する場合です。 このときはつねに頂点が最小値をとるので、求める最小値は$x=a$のとき$-a^2+a$です。 最後の③は、頂点が$x=2$より右側にある場合ですね。 つまり$2<a$のとき、$x=2$で最小値は$4-3a$と求めることができます。

以上から求める最小値は $a<0$のとき、$x=0$で最小値$a$ $0 \leq a \leq 2$のとき、$x=a$で最小値$a^2+a$ $2<a$のとき、$x=2$で最小値は$4-3a$です。

このように二次関数に文字が含まれている場合は、頂点がどの位置にあるのかに注目して考えましょう。

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まとめ

二次関数の最大値と最小値の求め方について解説しました。
ポイントは下記の3つです。

  1. 最大値と最小値はグラフをかいて可視化すると求めやすくなります。
  2. 定義域に文字が含まれている場合は、どの点を境に最大値と最小値が変わるか考えましょう。
  3. 二次関数に文字が含まれている場合は、頂点がどの位置にあるのかに注目しましょう。

このように二次関数の最大値と最小値を求めるときは場合分けが必要になる可能性があります。
とても複雑ですが、グラフをかきながらイメージして考えると、最大値と最小値が求めやすくなりますよ。

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