今回は二重根号のはずし方です。
二重根号の解き方・公式・外せないか判定する方法を解説します!
この記事を読めば二重根号で困ることはなくなりますので、ぜひ最後まで読んでみてください!
二重根号の外し方|基本編
まずは、二重根号の基本的な外し方です。
二重根号の中が足し算の解き方
問題
\(\sqrt{8+2\sqrt{15}}\)の二重根号を外しなさい。
つまり、
\(\sqrt{8+2\sqrt{15}}=\sqrt{a}+\sqrt{b}\)
に変換しなさい。という問題になります。
基本的な計算方法は2乗です。
\begin{eqnarray} \sqrt{8+2\sqrt{15}} &=& \sqrt{a}+\sqrt{b} \\
\left( \sqrt{8+2\sqrt{15}} \right) ^2&=& \left( \sqrt{a}+\sqrt{b}\right) ^2\\
8+2\sqrt{15}&=& a+b+2\sqrt{ab} \end{eqnarray}
2乗すると、
\(a+b=8\)と\(ab=15\)
の2つの式が見えてきます。
つまり、足して\(8\)、掛けて\(15\)になる2つの数字を見つければ良いことになります。
因数分解のたすきがけの要領で計算すると、$a$と$b$は\(3\)と\(5\)だとわかります。\(a=3,\ b=5\)とすると二重根号を外せます。
$$\sqrt{8+2\sqrt{15}}=\sqrt{3}+\sqrt{5}$$
練習問題
二重根号を外しなさい。
(1)\(\sqrt{7+2\sqrt{10}}\)
(2)\(\sqrt{5+2\sqrt{4}}\)
解答と解説
(1)\(\sqrt{2}+\sqrt{5}\)
解説:\(\sqrt{7+2\sqrt{10}}\)なので、足して\(7\)、掛けて\(10\)になる数を探せば良いので、\(2\)と\(5\)の組み合わせになります。
(2)\(3\)
解説:\(\sqrt{5+2\sqrt{4}}\)なので、足して\(5\)、掛けて\(4\)になる組み合わせなので、\(1\)と\(4\)になります。
つまり、\(\sqrt{1}+\sqrt{4}\)になりますが、どちらも整数に直すことができます。
\(\sqrt{1}+\sqrt{4}=1+2=3\)が答えとなります。
別解:二重根号を外す計算をしないパターンもあります。
\(\sqrt{5+2\sqrt{4}}=\sqrt{5+2\times2}=\sqrt{9}=3\)
二重根号の中が引き算の解き方
次に二重根号の中が引き算の場合です。
問題
\(\sqrt{8-2\sqrt{15}}\)の二重根号を外しなさい。
この場合は、
\(\sqrt{8-2\sqrt{15}}=\sqrt{a}-\sqrt{b}\)
を解くことを考えます。前と同様に両辺を2乗します。
\begin{eqnarray} \sqrt{8-2\sqrt{15}} &=& \sqrt{a}-\sqrt{b} \\
\left( \sqrt{8-2\sqrt{15}} \right) ^2&=& \left( \sqrt{a}-\sqrt{b}\right) ^2\\
8-2\sqrt{15}&=& a+b-2\sqrt{ab} \end{eqnarray}
やはり、\(a+b=8\)と\(ab=15\)を満たすa,bを見つける必要があり、\(a=5,\ b=3\)で答えは、
\(\sqrt{5}-\sqrt{3}\)となります。
注意点
根号の中がマイナスの場合は注意点があります。
数学では根号の中は基本的に正でなければなりません。(複素数は除きます。)
そのため、
\(\sqrt{8-2\sqrt{15}} = \sqrt{a}-\sqrt{b}\)の場合、
\(a>b\)である必要があります。
練習問題
二重根号を外しなさい。
(1)\(\sqrt{7-2\sqrt{10}}\)
(2)\(\sqrt{5-2\sqrt{6}}\)
解答と解説
(1)\(\sqrt{5}-\sqrt{2}\)
解説:\(\sqrt{7-2\sqrt{10}}\)なので、足して\(7\)、掛けて\(10\)になる数を探せば良いので、\(2\)と\(5\)の組み合わせになります。そして大きい方を先に書いて\(\sqrt{5}-\sqrt{2}\)です。
(2)\(\sqrt{3}-\sqrt{2}\)
解説:\(\sqrt{5-2\sqrt{6}}\)なので、足して\(5\)、掛けて\(6\)になる数を探せば良いので、\(3\)と\(2\)の組み合わせになります。そして大きい方を先に書いて\(\sqrt{3}-\sqrt{2}\)です。
二重根号の外し方|2がない
では、二重根号の中に\(2\)がない場合の計算のやり方を考えます。
2をつけて外すやり方
問題
\(\sqrt{5+\sqrt{21}}\)の二重根号を外しなさい。
今までのように\(\sqrt{21}\)の前に\(2\)がないので、今までの方法が使えません。
では、どうするか。
\(\sqrt{21}\)の前に無理矢理\(2\)を置きます。
\begin{eqnarray} \sqrt{5+\sqrt{21}} &=&\sqrt{\displaystyle \frac{10+2\sqrt{21}}{2}} \\
&=& \displaystyle \frac{\sqrt{10+2\sqrt{21}} }{\sqrt{2}} \end{eqnarray}
ここから分子の二重根号を外します。足して\(10\)、掛けて\(21\)になればいいので、\(7\)と\(3\)の組み合わせになります。
\begin{eqnarray} \sqrt{5+\sqrt{21}} &=& \displaystyle \frac{\sqrt{10+2\sqrt{21}} }{\sqrt{2}} \\
&=& \displaystyle \frac{\sqrt{7}+\sqrt{3}}{\sqrt{2}}\\
&=& \displaystyle \frac{\sqrt{14}+\sqrt{6}}{2} \end{eqnarray}
最後に分母を有理化しています。
有理化については下記の記事が参考になります!
>>有理化の詳しい解説<<

練習問題
二重根号を外しなさい。
(1)\(\sqrt{6+\sqrt{35}}\)
解答と解説
(1)\(\displaystyle \frac{\sqrt{14}+\sqrt{10}}{2}\)
解説:\(\sqrt{35}\)の前に\(2\)を付けると、\(\sqrt{12+2\sqrt{35}}\)が出てくるので、足して\(12\)、掛けて\(35\)を探して、\(7\)と\(5\)だと分かります。最後に有理化をすればOKです。
\begin{eqnarray} \sqrt{6+\sqrt{35}} &=& \displaystyle \frac{\sqrt{12+2\sqrt{35}}}{\sqrt{2}} \\ &=& \displaystyle \frac{\sqrt{7}+\sqrt{5}}{\sqrt{2}}\\&=& \displaystyle \frac{\sqrt{14}+\sqrt{10}}{2} \end{eqnarray}
二重根号が外せないとき
二重根号を毎回都合よく外せるとは限りません。
そのため、二重根号を外せるかどうかを判定する方法を解説します。
外せない判定のやり方
\(A\pm 2\sqrt{B}\)だと、足して\(A\)、掛けて\(B\)になる数を探すのですが、都合のいい数がない場合があります。
判定方法は\(A^2-4B\)を計算して結果が平方数であれば二重根号を外すことが可能です。
例えば、\(\sqrt{8-2\sqrt{15}}\)の場合、(練習問題1の問題です。)
\(8^2-4\times15=64-60=4\)
\(4\)は平方数なので分解可能です。
一方で、例えば\(\sqrt{5-2\sqrt{5}}\)だと、
\(5^2-4\times5=25-20=5\)
\(5\)は平方数ではないので、二重根号は「外せない」となります。
二重根号まとめ
- 二重根号を外すには二乗して計算が基本
- 中に\(2\)がない場合は無理矢理つける
- \(A^2-4B\)が平方数か調べれば二重根号を外せるかの判定が可能
3分でわかる二重根号
まずは、3分で二重根号の外し方をサクッと理解できる動画を紹介します。
動画だけでは全てを理解できませんが、記事を読む前の予習になります。
こちらもぜひ、ご活用ください!
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