今回は三角関数のグラフについて解説していきます。
三角関数という名前なのに、波のようなグラフが出てくるのが、三角関数のグラフの特徴です。
名前とグラフの形が一致しないため、つまずく人が多い印象があります。
しかしグラフの形はほぼワンパターンなので、分かってしまえばとても簡単です!
グラフや図を使ってわかりやすく解説しましたので、ぜひ最後まで読んでみてください。
三角関数のグラフは定義を使って書くことができます。
三角関数の定義を思い出してみましょう。
\begin{eqnarray} \sin α=\frac{Y}{r}\\
\cos α=\frac{X}{r}\\
\tan α=\frac{Y}{X}
\end{eqnarray}
が定義になります。
図で書くと下記のようになります。
例えばサインで考えてみましょう。
角度αが変わると、点PのYの値も当然ですが変わります。
sinのグラフは、このYの変化を表しているのです。
まとめると
αが変わる
↓
点Pの位置が変わる
↓
点PのY座標も、もちろん変わる
↓
このときのαとYをグラフにする
と、こんなグラフになります。
ちなみに、2πになると一周するので0と等しくなりますよね?つまりここから、また全く同じグラフを書きます。
そして、永遠と同じグラフを書き続ける。
これがsinのグラフです。
三角関数のグラフ
それでは書き方がわかったので、サイン コサイン タンジェントのグラフを見ていきましょう!
sin(サイン)のグラフ
まずは、sinのグラフを例にして「なるほど、なんとなく分かった気がする。」程度に理解しましょう。
これがsinのグラフになります。

正確には\(y=\sin x\)のグラフです。
三角関数のグラフでは、通常\(x\)に入る角度には弧度法を使用します。
弧度法については下記の記事を参考にしてください。
>>弧度法について理解しよう!<<

簡単に説明すると、\(\displaystyle \frac{\pi}{3}=60°\)のように、\(\pi=180°\)とする角度の種類と思っておけば大丈夫です。
三角関数に限らずですが、グラフを書くときの基本は、『横軸の値を変化させて、縦軸の値を求める。』です。
もう一度サインのグラフをみてみましょう。
xの値をゼロから少しずつ大きくしていき、360°(\(2\pi\)(rad))まで大きくしてみましょう。
x=π/6の場合y=1/2ですよね。
もう一度グラフを見ると確かにx=π/6あたりでyが0.5になっています。
x=π(180°)の場合だと…確かにy=0に点がありますね!
つまり\(y=\sin x\)のxを少しずつ変化させて、xが変化したときのyを繋いでいくと、波のようなグラフになるんです!
cos(コサイン)のグラフ
じゃあ、コサインはどう考えたらいいのでしょうか。
\(\cos x\)の式は\(\cos x=\displaystyle\frac{X}{r}\)ですね。
つまり、コサインってのは角度\(x\)が変わることによって変化する\displaystyle \frac{X}{r}を見てます。
サインとコサインのグラフを見比べてみましょう!

同じようなグラフが少しズレているのがわかりますよね。
どれくらいズレているのか。Yが0の位置で比べるとπ/2、つまり90°ズレてます。
このグラフから証明できる公式が1つあります。
$$\sin α=\cos (α+90°)$$
って式がありましたよね!
グラフを知ると簡単に意味が分かりますね。
tan(タンジェント)のグラフ
最後はタンジェントですが、タンジェントのグラフはサインやコサインとは形が大きく違います。
と言うのも式が下記のようになるからです。
$$\tan α=\frac{\sin α}{\cos α}=\frac{Y}{X}$$
分母の値が0になる角度は数学で禁止されているので、π/2や3π/2が存在しません。
そして、グラフはこんな感じになります。

見事にπ/2で無限に発散してますね〜
タンジェントに関しては、グラフの書き方となんとなくの形を覚えておく。書かなきゃならないときに、その場書ける!それでいいと思います。
【重要】三角関数の公式一覧
三角関数は公式を知っているかどうかで、勝負が決まります。
重要公式をまとめたので、確認しましょう。