最小公倍数は最大公倍数に間違えられることが多いです。
それは、ほぼ同時に習う最大公約数とごっちゃになっているからです。
- 最小公倍数ってなんだろう?
- 最小公倍数ってどうやって求めるの?
- なんで最大公倍数じゃダメなんだろう?
今回はこう言った疑問にお答えしていきます。
この記事で理解できること
- 最小公倍数とは何か
- なぜ最大公倍数は間違いなのか
- 最小公倍数の簡単な求め方
最後まで読んでいただけると光栄です!
では、いきましょう〜!
最大公約数を知りたい方はこちらから↓
最小公倍数とは何か
2つの数字の公倍数で最も小さい数字
文字で説明しても分かりにくいと思いますので、1問だけ例題を解いてみましょう。
\(8\)と\(14\)の最小公倍数を求めてみます。
最小公倍数は3つのステップで求めることができます。
最小公倍数を求めるステップ
- 2つの数字の倍数をそれぞれ求める
- 共通している倍数である公倍数を求める
- 公倍数の中で最小のものを探す
詳しくは後ほど解説しますが、ここで1度やってみましょう
最小公倍数を実際に求める
では、実際に\(8\)と\(14\)の最小公倍数を求めていきます!
1. 2つの数字の倍数をそれぞれ求める
\(8\)の倍数は以下の通りです。
$$8の倍数:8, 16, 24, 32, 40, 48, 56, 64, 72\dots$$
これは九九の\(8\)の段を並べただけですね。
この後に\(80, 88, 96\dots\)と続いていきますが、一旦\(8\times9=72\)で止めておきましょう。
次は\(14\)の倍数を見てみす。
$$14の倍数:14, 28, 42, 56, 70, 84, 98\dots$$
これで\(8\)と\(14\)の倍数がわかったので、次のステップです。
2. 共通している倍数である公倍数を求める
\(8\)と\(14\)の公倍数とは、\(8\)の倍数と\(14\)の倍数で共通している数字のことです。
つまり\(8\)と\(14\)の公倍数は、\(56\dots\)だと分かりますね。
もちろん\(56\)以上の公倍数もたくさんあります。例えば\(112\)も公倍数です。
$$8\times14=112, 14\times8=112$$
3. 公倍数の中で最小のものを探す
\(8\)と\(14\)の公倍数の中で最小の数字を探したら、それが最小公倍数となります。
\(8\)と\(14\)の最小公倍数は\(56\)だと分かりましたね。
最大公倍数ではダメな理由
冒頭にもお伝えしましたが、最小公倍数は間違えて最大公倍数と思われていることが良くあります。
ほぼ同時に習う最大公約数とごっちゃになるのが原因ですね。
ここでは、最大公倍数ではダメな理由について説明しますね。
\(8\)と\(14\)の最大公倍数を調べてみましょう。
ここまで読んだ方なら分かるかもしれませんが、最大公倍数は存在しません。
共通の倍数で最大の数字は途方もない桁数になるからです。最大公倍数は\(\infty\)(無限大)と言い換えてもいいかもしれません。
これが、最大公倍数が存在しない理由です。
最小公倍数の簡単な求め方
最後に最小公倍数の簡単な求め方を紹介いたします。
\(8\)と\(12\)の最小公倍数を例に説明していきますね。先に答えを言ってしまうと\(24\)です。この\(24\)を求めていきましょう!
最小公倍数を求めるステップ
- 2つの数字の倍数をそれぞれ求める
- 共通している倍数である公倍数を求める
- 公倍数の中で最小のものを探す
\(8\)と\(12\)の最小公倍数を求める
では3ステップに沿って最小公倍数を求めていきましょう!
2つの数字の倍数をそれぞれ求める
\(8\)の倍数は以下の通りです。
$$8の倍数:8, 16, 24, 32, 40, 48, 56, 64, 72\dots$$
次は\(12\)の倍数を見てみす。
$$12の倍数:12, 24, 36, 48, 60, 72, 84\dots$$
これで\(8\)と\(12\)の倍数がわかったので、次のステップです。
2. 共通している倍数である公倍数を求める
\(8\)と\(12\)の公倍数は\(24, 48, 72\dots\)だと分かりますね!
3. 公倍数の中で最小のものを探す
\(8\)と\(12\)の公倍数の中で最小の数字は\(24\)です。
よって\(8\)と\(12\)の最小公倍数は\(24\)と分かります!
最小公倍数を効率的に求める
最小公倍数は練習すればするほど簡単に、かつ効率的に求めることができるようになります。
ただ、あるコツを知っていると少し計算が早くなります。
その技術だけ紹介したいと思います。
ステップ1の「倍数を求める」ですが、小さい数字の倍数を先に求める方が楽です。
1桁であれば、九九を覚えていればすぐに書けると思います。
次に大きい数の倍数を求めていきます。そして、公倍数が1つ見つかった時点でその数字が最小公倍数なのでそこで計算を終えればOKです。
\(8\)と\(14\)を例にやってみましょう。
\(8\)の倍数は、
$$8の倍数:8, 16, 24, 32, 40, 48, 56, 64, 72\dots$$
ですね。先にこれを紙に書いておきます。
そして、
\begin{eqnarray} 14\times1 &=& 14 \\
14\times2 &=& 28 \\
14\times3 &=& 42 \\
14\times4 &=& 56 \\
\end{eqnarray}
と\(14\)の倍数を計算して、\(8\)の倍数と同じ\(56\)が出た時点で、最小公倍数が\(56\)と決まるのです。
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まとめ|最小公倍数
- 2つの数字の公倍数で最も小さい数字のこと
- 最大公倍数に間違えられることがあるが、最大公倍数は存在しない。最大公約数とごっちゃになっているので、注意が必要
- 最小公倍数は小さい数字の倍数→大きい数字の倍数の順番に計算することで効率的に求められる
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