今回は受験で必須と言っても過言ではない余弦定理を解説します!公式を暗記するだけではなく、その証明をしっかり理解することで、自分のものにしてしまいましょう!


※この記事は10分程度で読めますが、余弦定理を完全に理解できます。
※証明には「三角関数」と「三平方の定理」を使います。理解できてないなーって方はまずそっちを読みましょう。


余弦定理って何?
まずは余弦定理とは何か復習しましょう。ある三角形において、各辺と角には以下のような数式が成り立つ。という定理でしたね。
直角三角形でもないのに、こういう式が成り立つのは少し違和感がある・・・
と思ったあなた!すごく数学のセンスがいいです。思わなかったーってあなたもドンドン数学センスを磨いていきましょうね。
余弦定理の証明
余弦定理の証明を行います。
証明する式は
$$a^2=b^2+c^2-2bc\cos A$$
です!
まずc点から辺cに垂線を降ろします。すると直角三角形が二つできましたね。垂線と辺cの交点をDとします。
ここで左の三角形に注目します。三角関数を利用すると、辺CDの長さはb sinA、辺ADはb cosAと表すことができます。
次に右の三角形に注目しましょう!
直角三角形なので三平方の定理を利用しまして、
$$BC^2=DB^2+CD^2$$
が成り立ちますね。ここにさっきの値を代入してみましょう。
すると以下のように式を展開できます。
\begin{eqnarray} BC^2 &=& DB^2+CD^2 \\ a^2 &=&(c-b\cos A)^2+(b\sin A)^2 \\ a^2&=&c^2-2bc\cos A+b^2 \cos^2 A+b^2\sin^2A \\ a^2&=&b^2+c^2-2bc\cos A \end{eqnarray}
ここで、\(\sin^2 A+\cos^2A=1\)って式を利用しています!なんじゃそりゃって方はこちらをどうぞ!
これで余弦定理の証明完了ですね!
余弦定理の使い方


くりさんも言っている通り、使い方は大きく2つあります。
- 2辺とその間の角がわかる時、残り1辺の長さがわかる
- 3辺の長さがわかる時、角度が全てわかる
2つともゆっくりと、できるだけ簡単に説明しますね。
余弦定理1|「2辺とその間の角」がわかる
1つ目の使い方を見ていきましょう。例えば以下のような三角形があったとします。
a=?, b=6, c=9, A=60°となっておりまして、aを求めましょう。
a²=b²+c²-2bc cosA
なので、
\begin{eqnarray} a^2 &=& 36+81-108\times0.5 \\ &=& 117-54\\&=&63\\a&=&\sqrt{63}=3\sqrt{7} \end{eqnarray}
となります。
2辺とその間の角が分かると残る1辺も求めることができましたね。
余弦定理2|「3辺」がわかる
3辺が分かる場合も考えてみましょう。
さっきの三角形をそのまま使うと分かりやすいので、そのまま使いましょう。
今回は
a=3√7, b=6, c=9, A=?
となりますね。
a²=b²+c²-2bc cosA
の式に当てはめて、
63=36+81-108cosA
108cosA=54
cosA=0.5
A=60°
となるわけです!ちなみに3辺が分かれば、A以外の角度も求めることができますよ!
余弦定理まとめ
余弦定理をまとめましょう!
- 証明するときは垂線を降ろして2つに分ける
- 使い方は2つあるよ
- 2辺とその間の角が分かると、残り1辺もわかる
- 3辺が分かると角が全てわかる
となります。接弦定理との違いもはっきりさせておきましょう!

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