方程式とは、式の変数に特定の数を入れたときだけ両辺が等しくなる等式のことです。例えば、2x+3=5であれば変数はxです。このxに1を入れたときだけこの等式の両辺は等しくなります。
このような式を方程式と言います。
今回は方程式について、問題と解き方、移項、方程式の種類を解説していきます。
練習問題もたくさん用意しているので、この記事だけで方程式が解けるようになります。ぜひ最後まで読んでください。
方程式とは?
方程式とは、式の変数に特定の数を入れたときだけ両辺が等しくなる等式のことです。
もっと簡単に言うと、わかっていない数を文字で表した等式です。

例えば、\(3x-5=10\)のような感じです。
\(x\)が何だったら、この等式が成り立つかなーって考えるのが方程式です。
小学生の算数だと、\(3\times □-5=10\)とか書いてたと思いますが、数学的に書くと文字式を使います。
\(□\)が\(x\)になっていますが、本質的にやることは変わりません。
方程式の解とは

\(3x-5=10\)の\(x\)が何かなーって求めることを方程式を解くと言います。
そして、求めた\(x\)を方程式の解(かい)と呼びます。
「\(3x-5=10\)の方程式の解は\(5\)である」と使います。
問題文で「次の方程式を解け」とか「次の方程式の解を求めよ」とか書かれるので、用語は知っておきましょう。
方程式の解き方
では、方程式の解き方を解説します。
等式の変形
まずは等式の変形について知っておきましょう。等式には4つの性質があります。
両辺に同じ数を足しても、引いても、掛けても良いと言う性質と、両辺を0以外の同じ数で割っても良いと言う性質です。

方程式を解くにはこの性質を使う必要があります。詳しい解説は下記の記事が参考になります。
※参考記事
等式の変形とは?問題と解き方、分数の場合の計算もすべて解説
方程式を解く
いくつか問題を解いていきましょう。
今回は4種類の方程式の問題を用意しました。

1つずつ解説していきますね!
方程式の解き方|移項を使って解く
最初は移項を使って解く方法です。
移項とは
移項とは、等式の一方の辺にある項は符号を変えれば、他方の辺に移動できることです。

移項は等式の性質の『同じ数を足しても良い』と『同じ数を引いても良い』の応用版です。
\begin{eqnarray} x-3 &=& 2 \\
x&=&2+3\\
x&=& 5 \end{eqnarray}
このように、両辺に\(3\)を足して計算せずに、符号を変えて左辺から右辺に移動できる便利な方法です。
問題
(1) \(x-9=3\)
(2) \(2x+3=5\)
(3) \(3x+5=-10\)
解答と解説
(1) \(x=12\)
\begin{eqnarray} x-9 &=& 3 \\ x&=& 3+9\\x&=&12 \end{eqnarray}
(2) \(x=1\)
\begin{eqnarray} 2x+3 &=& 5 \\
2x &=& 5-3\\
2x&=&2\\
x&=&1\end{eqnarray}
(3) \(x=-5\)
\begin{eqnarray} 3x+5 &=& -10 \\
3x&=&-10-5\\
3x &=& -15\\
3x\div3&=&-15\dov3\\
x&=&-5 \end{eqnarray}
方程式の解き方|かっこがある場合
かっこがある方程式を解くときは、最初にかっこを外してから解きましょう!
問題
(1) \(2(2x+4)=3x-5\)
(2) \(3(x+4)=-(-x+2)\)
解答と解説
(1) \(x=-13\)
\begin{eqnarray} 2(2x+4)&=3x-5 \\
4x+8 &= 3x-5\\
4x-3x&=-5-8\\
x&=-13 \end{eqnarray}
(2) \(x=-7\)
\begin{eqnarray}
3(x+4)&=-(-x+2) \\
3x+12 &= x-2\\
3x-x&=-2-12\\
2x&=-14\\
x&=-7 \end{eqnarray}
\(3x-x\)には文字式の計算が必要ですね!
方程式の解き方|小数がある場合
小数がある方程式の場合は\(10\)や\(100\)を両辺にかけて、整数にしてから計算しましょう!
両辺に同じ数を掛けても良いので、小数は調整がしやすいですね!
問題
(1) \(0.3x-1=0.2x-0.4\)
解答と解説
(1) \(x=6\)
\begin{eqnarray}
0.3x-1&=0.2x-0.4 \\
10(0.3x-1)&=10(0.2x-0.4)\\
3x-10&= 2x-4\\
3x-2x&=-4+10\\
x&=6 \end{eqnarray}
方程式の解き方|分数がある場合
最後は分数がある場合の方程式です。分数がある場合は両辺にある分数の分母の最小公倍数をかけて、全て整数にしてから計算しましょう!
問題
(1) \(\displaystyle \frac{5}{8}x=\displaystyle \frac{3}{4}x-1\)
解答と解説
(1) \(x=8\)
\begin{eqnarray} \displaystyle \frac{5}{8}x&=\displaystyle \frac{3}{4}x-1\\
\displaystyle \frac{5}{8}x\times8 &=\left( \displaystyle \frac{3}{4}x-1\right)\times8 \\ 5x&= 6x-8\\
5x-6x&=-8\\
-x&=-8\\
x&=8 \end{eqnarray}
方程式の利用(文章題)
ここからは方程式の利用です。
これまで方程式解いてきたけど、じゃあなんに使えるのー?って部分です!
【問題】方程式の利用|文章題
実際に問題を解いてみましょう!
スーパーで1個\(300\)円のキャベツと、1個\(200\)円のブロッコリーを合わせて8個買うと、代金が\(1900\)円になりました。
(1)キャベツを買った個数を\(x\)として、方程式を立てなさい。
(2)方程式を解いて、ブロッコリーを買った個数を求めなさい。

【解答】方程式の利用|文章題
先に答えを書くと、$$300x+200(8-x)=1900$$です。では解説していきます。
(1) は方程式を立てる問題です。
まずは、キャベツを買った個数を\(x\)とするので、ブロッコリーを買った個数を\(x\)を使った文字式で表すと何個だろう?と考えます。
答えは\(8-x\)個です。
キャベツとブロッコリー合わせて\(8\)個。キャベツは\(x\)個買ったので、\(8-x\)がブロッコリーの個数になります。

方程式を作る
では出てきた材料を元に方程式を作ってみましょう。
キャベツは1個\(300\)円なので、キャベツの代金は\(300x\)円です。
1個の金額に個数をかけています。
ブロッコリーは1個\(200\)円なので、ブロッコリーの代金は\(200(8-x)\)円です。
これらを足した支払いの代金は\(1900\)円なので、足した数と\(1900\)を使って等式を作れます。
$$300x+200(8-x)=1900$$
これが(1)の答えです。
(2)の答えはこの方程式を解いて求めていきます。
\begin{eqnarray} 300x+200(8-x) &=1900 \\
300x+1600-200x&=1900\\
300x-200x &= 1900-1600 \\
100x&=300\\
x&=3 \end{eqnarray}
答えは\(3\)ではないので注意です!
問題文には『ブロッコリーを買った個数を求めなさい』とあります。
この\(x=3\)はキャベツの個数です!
ブロッコリーは\(8-x\)個買っているので、答えは\(8-3=5\)で5個になります。
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方程式の利用(比例式)
最後は方程式の利用(比例式)です。
比例式とは、「2つの比が等しいことを表す式」です。
$$A:B=C:D$$
このような式です。
$$A:B=C:D\ \rightarrow\ AD=BC$$
が成り立ちます。\(A:B=C:D\)だと、\(\displaystyle \frac{A}{B}=\displaystyle \frac{C}{D}\)が成り立つので、両辺に\(BD\)を掛けると、\(AD=BC\)となります。
問題1
何問か問題を解いてみましょう。
(1) \(6:5=x:10\)
(2) \(9:3=3x:5\)
(3) \(6:(x+1)=2:1\)
解答1
(1) \(x=12\)
\begin{eqnarray} 6:5&=x:10\\
5x &= 60 \\
x&=& 12 \end{eqnarray}
(2) \(x=5\)
\begin{eqnarray} 9:3&=3x:5 \\
45&= 9x \\
x &=& 5 \end{eqnarray}
(3) \(x=\)
\begin{eqnarray} 6:(x+1)&=2:1\\
6&=2(x+1) \\
2x+2&=6\\
2x&=6-2 \\
2x&=4\\
x&=2 \end{eqnarray}
最後に比例式を使う文章題を解いてみましょう!コラボレーションです!
【問題】比例式を使う文章題
料理をするとき、酒\(100ml\)に対して、みりん\(180ml\)を入れると記載があった。使うみりんが\(720ml\)の時、酒を何\(ml\)入れれば良いか求めよ。
【解答】比例式を使う文章題
求めたい値は酒の量なので、みりんを\(720ml\)使うときの酒の量を\(x\)と置きます。
\(100:180=x:720\)という式を作れます。
方程式にすると、\(180x=720\times100\)です。
\(180x=72000\)より、\(x=400\)となります。
よって答えは\(400ml\)です!
方程式まとめ
方程式について解説してきました。
方程式とは、式の変数に特定の数を入れたときだけ両辺が等しくなる等式のことです。
等式の性質や移項など、計算することで特定の数を求めることを方程式を解くと言います。また方程式を解いて出てきた値を解(かい)と呼びます。
方程式は練習すれば絶対解けるようになるので、練習あるのみです。
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