数学では証明は避けて通れません。
しかも受験やテストで、定理や公式の証明はよく出てきます。
せっかく証明を覚えて書いたのに、循環論法になっていると減点になってしまう可能性があります
それを避けるために、循環論法って何なのかを知っておく必要があるのです。

循環論法って何だろう?
どんな例があるか知りたい!
こんな疑問にお答えしていきます!
循環論法とは?
循環論法とは理論が循環することを言います。
例えば、Aについて数学で証明したとしましょう。
「AはBの反対である」と証明したとします。
Bについて数学で証明するときに「BはAの反対である」と証明すると結局『A』も『B』も分からないといったことになります。
これは数学では避けなければいけない証明です。
どういったものが循環論法になるのか見ていきましょう。
循環論法の例
数学の代表的な例を2つほど解説していきます!
- ベクトル内積の分配法則と余弦定理
- 円の面積
ベクトル内積の分配法則と余弦定理

ベクトル内積の分配法則は、下記のような式です。
ベクトル内積の分配法則
$$\vec{a}\cdot(\vec{b}+\vec{c})=\vec{a}\cdot\vec{b}+\vec{a}\cdot\vec{c}$$
余弦定理を証明するとき、この分配法則を使うと非常に簡単に証明できることが知られています。
しかし一方で、この分配法則を証明するのに、『内積の成分表示』を使う方法があります。
$$\vec{a}\cdot\vec{b}=a_{1}b_{1}+a_{2}b_{2}$$
この内積の成分表示ですが、余弦定理を使って証明するのです。
つまり、
- 余弦定理を証明したい!
- ベクトルの分配法則を使おう
- 内積の成分表示が必要だな
- 成分表示に余弦定理を使うのかー
- ん?
となります。
余弦定理の証明をしているのに、余弦定理を使うことになってしまうのです。
これだと、仮に余弦定理を証明を書いたとしても、余弦定理を証明したことにはなりません。
ではどうやって循環論法を回避するのか・・・
この場合は2つの方法があります。
- 内積の成分表示をせずに、ベクトル内積の分配法則を証明する
- 分配法則を使用せずに余弦定理を証明する
このどちらかで回避ができます。

詳しい証明については別記事に譲りますね!



円の面積
次は円の面積に関する循環論法です。
円の面積を求めるためには、$$y=\sqrt{r^2-x^2}$$
の式を\(x\)で積分して求めるのが一般的です。
これは\(x=r\cos\theta\)と置換してあげると、比較的簡単に積分できます。
しかしこの時、\((\sin\theta)’=\cos\theta\)の微分を使うことになるのです。
\(\sin\theta\)の微分は円の面積(正確には扇形の面積)を使っているため、円の面積は循環論法と言われているのです。
つまり、
- 円の面積を求めたい!
- 円の式を\(x\)で積分しよう
- 積分には\(\sin\theta\)の微分が必要だ
- (\sin\theta)の微分には円の面積が必要だ
- ん?
という循環論法に陥ってしまうのです。
じゃあどうやって循環論法を回避するのか。
かなり複雑ですが、複素数を用いたりすることで回避できます。
(A4で5ページくらい必要なので、この場では割愛します!)
循環論法|まとめ
循環論法とは何なのかについて解説してきました。
循環論法は意外とやってしまいがちですが、回避する方法は証明したい定理によって様々です。
しかし、絶対に回避する方法は存在しますので、頑張って調べてみましょう!

円の面積に関しても、「円 面積 循環論法」などで調べるとしっかりまとめてあるサイトがたくさんありますよ!(私も今度記事にしようかな〜)
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