たすきがけは因数分解するときに、とっても役に立つ方法です。
しかし、当たりをつけて何度も試してみないと因数分解できないという問題もあります。
そこで今回は、たすきがけをしないで因数分解する方法を解説したいと思います!
たすきがけの当たりがつかず因数分解に時間がかかっている人には、とっても有益な情報です。
ぜひ最後まで読んでみてください!
たすきがけをしない因数分解のやり方
たすきがけをしない因数分解では二次方程式の解の公式を使います。
二次方程式の解の公式
\(ax^2+bx+c=0\)を満たす\(x\)は下記の式で表される。
$$x=\displaystyle \frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}$$
>>あわせて読みたい:二次方程式の解の公式の証明<<
\(ax^2+bx+c=0\)の解を\(A,\ B\)とすると、
\(ax^2+bx+c\)の因数分解は下記の式になる。
$$\(ax^2+bx+c=a(x-A)(x-B\)$$
では二次方程式の解の公式を使って因数分解してみましょう。
たすきがけをしない因数分解の例題
基本的な式の因数分解で練習してみましょう。
例題
\(x^2+5x+6\)を因数分解せよ。
答え
\((x+2)(x+3)\)
解説
\(x^2+5x+6=0\)になる\(x\)を解の公式から導きます。
\(a=1,\ b=5,\ c=6\)なので下記のように計算できます。
\begin{eqnarray}
x&=&\displaystyle \frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\\
&=&\displaystyle \frac{-5\pm\sqrt{5^2-4\times1\times6}}{2}\\
&=&\displaystyle \frac{-5\pm\sqrt{25-24}}{2}\\
&=&\displaystyle \frac{-5\pm1}{2}\\
x&=&-2,\ -3
\end{eqnarray}
つまり\(x^2+5x+6=0\)になる\(x\)は\(x=-2,\ -3\)です。
次に\(x\)の符号を反転させます。
(今回は\(2,\ 3\))
最後に、\(x\)と足してかっこでくくれば、因数分解完了です。
\((x+2)(x+3)\)
\((x+2)(x+3)=x^2+5x+6\)なので合ってますね。
たすきがけをしない因数分解の例題2
続いて、\(a≠1\)の場合の例題を解いてみましょう。
例題
\(2x^2+3x-5\)を因数分解せよ。
答え
\((x-1)(2x+5)\)
解説
\(2x^2+3x-5=0\)の解を求めてみましょう。
\begin{eqnarray}
x&=&\displaystyle \frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\\\\
&=&\displaystyle \frac{-3\pm\sqrt{3^2-4\times 2\times (-5)}}{2\times 2}\\\\
&=&\displaystyle \frac{-3\pm\sqrt{9+40}}{4}\\\\
&=&\displaystyle \frac{-3\pm\sqrt{49}}{4}\\\\
&=&\displaystyle \frac{-3\pm7}{4}\\\\
&=&\displaystyle \frac{4}{4},\ \displaystyle \frac{-10}{4}\\\\
&=&1,\ -\displaystyle \frac{5}{2}
\end{eqnarray}
二次方程式の解は\(1,\ -\displaystyle \frac{5}{2}\)とわかりました。
公式にあてはめると、下記のように因数分解できます。
\begin{eqnarray}
& &2x^2+3x-5\\
&=&2(x-1)(x+\displaystyle \frac{5}{2})\\
&=&(x-1)(2x+5)\)\end{eqnarray}
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たすきがけをしないメリット・デメリット
たすきがけをしない因数分解を解説してきましたが、この方法のメリットとデメリットを解説しておきます。
メリットとデメリットを知っておくことで、解き方を使い分けましょう!
たすきがけをしないメリット
たすきがけをしないメリットは、『当たりをつけなくて良い』点になります。
例えば\(24\)を
\(6\times4\)かな\(8\times3\)かな\(2\times12\)かな
プラスかな?マイナスかな?と正解にたどり着くまでに時間がかかるケースがあります。
最初に正解の組み合わせを引ければいいですが、なかなか難しいですよね。
また答えが分数の場合だとたすきがけでは正解には辿り着けません。
ここがたすきがけをしないメリットです。
たすきがけをしないデメリット
たすきがけをしないメリットがあればデメリットもあります。
デメリットは『計算量が増える』ことです。
例えば\(2x^2+5x+3\)の因数分解だと、
組み合わせは\((2,\ 1)と(3,\ 1)\)の1通りです。
あとは符号とかける数字を間違えなければすぐに解けます。
一方で二次方程式の公式にこの問題を当てはめると、結構計算量が増えるのがわかります。
そのため、問題によって使い分ける必要があるのです。
どんな問題なら使える?
おすすめは『大きい数が含まれる式の因数分解』に使いましょう。
例えば$$x^2+6x-216$$などは解の公式がいいかもしれません。
\(216=12\times18\)を想定した問題ですが、\(12\)も\(18\)も約数が多いため組み合わせが多数存在します。
このように大きい数(3桁以上)が含まれる場合はたすきがけしない解き方の方がいいと思います。
練習問題
たすきがけで解く因数分解の練習問題を25問用意しました。
難問も5問あるので、たすきがけしない方法でぜひ解いてみてください!
>>たすきがけの練習問題<<
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参考動画
今回解説した内容でわかりやすい動画を見つけたので、紹介しておきます。
非常に参考になりますので、よかったら観てみてください。
おすすめ記事
最後に因数分解について解説したおすすめ記事を紹介します。
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今回は以上です!
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