$$(Tan^{-1}x)’=\frac{1}{1+x^2}$$
逆三角関数であるアークタンジェントですが、これを微分するには少しテクニックがいります。そこでこの解説では、簡単にできるアークタンジェントの微分の方法を紹介します!
具体的には2種類の紹介です。
- 合成関数の微分法
- 逆関数の微分法
アークタンジェントとは
まずはアークタンジェントについて確認しておきましょう。
$$y=Tan^{-1}x$$
とすると、これは逆三角関数なので
$$x=\tan y \dots(1)$$
と同じ意味になります。
※逆三角関数の参考記事
アークタンジェントの微分|合成関数の微分法
ここで(1)式の両辺をxで微分します。
$$\begin{eqnarray}
\frac{d}{dx}x &=& \frac{d}{dx}\tan y \\
1 &=& \frac{d}{dy}\tan y\frac{dy}{dx}(合成関数の微分法)\\
1 &=& (1+\tan^2 y) \frac{dy}{dx}\\
\end{eqnarray}$$
となります。つまり
$$\frac{dy}{dx}=\frac{1}{1+\tan^2 y} $$
となります。これで微分できたように見えますが、\(\tan y\)には\(y\)が使われています。この\(y\)を無くさないと微分できたとは言えません。そこで、\(\tan y\)変形して\(x\)の関数にします。
tan yを変形する
最初に示した通り、この問題は逆三角関数なので
$$y=Tan^{-1}x \leftrightarrow x=\tan y$$
この式から\(\tan y\)は\(x\)と等しいことが分かりますね。\(\tan y=x\)を代入すると・・・
$$\begin{eqnarray} \frac{dy}{dx}&=& \frac{1}{1+\tan^2 y} \\
&=& \frac{1}{{1-x^2}}\\
\end{eqnarray}$$
これで微分完了です!
\(Tan^{-1}x\)(アークタンジェント)の微分$$(Tan^{-1}x)’=\frac{1}{1+x^2}$$
次に逆関数の微分法でも微分してみましょう!
アークタンジェントの微分|逆関数の微分法
逆関数の微分法$$g'(x)=\frac{1}{f'(y)} (※ただしf'(y) \neq 0)$$
≫逆関数の微分について詳しい解説!【逆関数の例も記載】≪
ここで\(g(x)=Tan^{-1}x\)、\(f(y)=\tan y\)です!
$$y=Tan^{-1} \leftrightarrow x=\tan y$$
$$y=g(x) \leftrightarrow x=f(y)$$
これらの式を微分して当てはめると・・・
$$g'(x)=\frac{1}{f'(y)}=\frac{1}{1+\tan^2 y}$$
となります。あとは\(\tan y\)を同じように変形すればいいだけです。
$$\begin{eqnarray} \frac{dy}{dx}&=& \frac{1}{1+\tan^2 y} \\
&=& \frac{1}{1+x^2}\\
\end{eqnarray}$$
この方法であれば、合成関数の微分法なんかを使わなくてもできるので楽ですね!
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さいごに
3種類ある逆三角関数ですが、その他の微分のも求め方はほとんど同じです。求め方は大きく2種類あります。
- 合成関数の微分法を使う
- 逆関数の微分法を使う
です。
分かってしまえば意外と簡単なので、今のうちに覚えておきましょう!
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