今回は必要条件と十分条件について解説します!
これは必要条件かな?
これは十分条件かな?
と迷うことは多いと思います。
この記事を読めば、必要条件と十分条件の違いが理解できます。
覚え方とコツもわかりますので、ぜひ最後まで読んでみてください
必要条件と十分条件の違い
ある命題に対して「PならばQである」(P⇒Q)が成り立つとき、
・PはQであるための「十分条件」
・QはPであるための「必要条件」
といいます。
また、集合の考え方を用いると、Pという集合がQという集合に完全に含まれる(PがQの部分集合)とき、PはQであるための「十分条件」であるといいます。
また、逆にQという集合がPという集合に完全に含まれる(QがPの部分集合)ときQはPであるための「必要条件」が成り立ちます。
少し、イメージがわきづらいので具体的に言葉や式で考えてみます。
A「パソコンは機械である」
B「x=4(P)ならばx^2=16(Q)である」
この2つを考えてみましょう。
必要条件とは
まずはAに関して、機械に対して「パソコン」というのは、機械という事実のみであれば、クーラー、冷蔵庫、テレビなど、他にも想像ができるため、機械の中のパソコンという必要のある条件になります。
つまり、必要条件になります。
続いて、Bに関して、x^2=16であれば、x=±4となり、x=-4が反例となるため、Q⇒Pは偽となります。
このため、x=4(P)はx^2=16(Q)であるための必要条件とは言えません。
十分条件とは
まずはAに関して、パソコンに対して、「機械」というのは確実に言える事実です。このため、パソコンであれば、機械であるというための十分な条件なのです。
つまり、十分条件になります。
続いて、Bに関して\(x=4\)であれば、\(x^2=(4)^2=16\)となり、成立するため、P⇒Qは真といえます。
このため、「\(x=4(P)はx^2=16(Q)\)であるための十分条件」といえます。
必要条件と十分条件の覚え方
必要条件と十分条件について説明しましたが、そうは言われても、「どうやって問題解くの?」とか、「逆になりそう…」という疑問や不安もあるかと思います。そういう方のために、以下を覚えると問題が解きやすくなります。
以下の問題があるとします。
P は Q であるための_____条件
こういう問題が出てきたら、まず下記のように矢印を書きましょう。
(この際に、矢印の向きは逆にしないことがポイントです)
そして、この問題は十要(重要)な問題と書きます。
つまり、P→Qが真であれば十分条件
Q→Pが真であれば必要条件といえます。
あとは、P→QとQ→Pの真偽を調べれば良いだけになります。
必要条件・十分条件のコツ
具体的に、先ほどの問題で考えてみましょう。先ほど述べたように、P→Qは真であり、Q→Pは偽になります。
あとは、真のほうの矢印を用いれば、
x=4(P)はx^2=16(Q)であるための「十分」条件
ということができます。
必要条件・十分条件の問題3問!
問題1
「x=1かつy=2(P) は x+y=3(Q) であるための_____条件」
解答と解説
まず、P→Qを考えます。x=1かつy=2だった場合、x+y=1+2=3となり、成立するため、真といえます。次に、Q→Pに関して、x+y=3であれば、x=0、y=3が反例となるため、偽となります。
したがって、x=1かつy=2(P) は x+y=3(Q) であるための「十分」条件となります。
問題2
「ac=bc(P) は a=b(Q)であるための____条件」
解答と解説
まず、P→Qを考えます。ac=bcに関して、a=1、b=2、c=0のとき、Pは成り立ちますが、Qは成り立ちません。このためa=1、b=2、c=0を反例として、偽となります。また、Q→Pに関して、a=bであれば、両辺にどんな数cをかけても成立します。このためQ→Pは真であるといえます。
したがって、c=bc(P) は a=b(Q)であるための「必要」条件となります。
問題3
「x=y(P) は (x-y)^2=0(Q)であるための____条件」
解答と解説
この問題の場合、まずQを解いてみると、x=yとなります。このため、Qの式をx=yと言い換えることができます。つまり、P→QもQ→Pも真になります。
したがって、x=y(P) は (x-y)^2=0(Q)であるための必要条件であり、十分条件でもあります。(必要十分条件という)
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まとめ
必要条件と十分条件について説明してきました。
このあたりの問題は多くの子が苦手にしがちな部分ではありますが、やり方さえわかれば、意外と得点源にすることもできます。
ぜひ、参考にして、問題を解いてみてください。
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