【3倍角の公式】の証明と覚え方|sin/cos/tanの導出【工学博士監修】

3倍角の公式

\begin{eqnarray}
\sin 3\theta &=& 3\sin \theta-4\sin^3 \theta \\
\cos 3\theta &=& 4\cos^3 \theta-3\cos \theta \\
\tan 3\theta&=& \displaystyle \frac{3\tan \theta-\tan^3 \theta}{1-3\tan^2 \theta}
\end{eqnarray}

3倍角の公式は3つの公式からできています。

三角関数の\(3\theta\)を\(\theta\)で表すことができる公式です。

今回はそんな3倍角の公式の導出方法と覚え方を解説していきます。

解説する内容

導出には加法定理と2倍角の公式を使うので、2つの公式も少しだけ解説しますね!

トムソン
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出てくる頻度は低いけど、安心のために導出方法を理解しておきましょう!

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加法定理と2倍角の公式の復習

2つの公式が完璧だぜ!って場合は、読み飛ばしてOK♪

では、まずは加法定理の復習です。

加法定理の復習

加法定理は3つ(符号違いで計6つ)の公式かできた定理です。

加法定理とは

\begin{eqnarray}
\sin (A \pm B) &=& \sin A \cos B \pm \cos A \sin B\\ \\
\cos (A \pm B) &=& \cos A \cos B \mp \sin A \sin B\\ \\
\tan (A \pm B) &=& \displaystyle \frac{\tan A \pm \tan B}{1 \mp \tan A \tan B}
\end{eqnarray}

加法定理は上記のように3つの式からできた、三角関数の最重要定理です。

3倍角の公式はもちろん、他の公式を導出するのにも使われます。

など。

忘れていたなーと思ったあなたも大丈夫!

今のうちのしっかり復習しておきましょう!

2倍角の公式の復習

2倍角の公式は3つの式からできた公式です。

2倍角の公式とは

\begin{eqnarray}
(a)\ \sin 2\theta &=& 2\sin \theta \cos \theta \\ \\
(b)\ \cos 2\theta &=&\cos^2 \theta-\sin^2 \theta\\
&=& 2\cos^2 \theta-1\\
&=&1-2\sin^2 \theta\\\\
(c)\ \tan 2\theta&=&\displaystyle \frac{2\tan \theta}{1-\tan^2 \theta}
\end{eqnarray}

2倍角の公式とは\((a),\ (b),\ (c)\)の3つの式から成る公式である。

導出方法や覚え方は別記事をご参照ください!

3倍角の公式の導出(証明)

では加法定理倍角の公式を使って3倍角の公式を導出していきます。

\(\sin 3\theta\)の導出

\(\sin 3\theta=\sin(2\theta+\theta)\)として、加法定理で解いていきます。

\(\sin 3\theta=\sin(2\theta+\theta)\)とすると、加法定理より

\begin{eqnarray}
\sin 3\theta&=&\sin(2\theta+\theta)\\
&=&\sin 2\theta \cos \theta+\cos 2\theta \sin \theta\cdots(1)
\end{eqnarray}

倍角の公式より、

\begin{eqnarray}
(a)\ \sin 2\theta &=& 2\sin \theta \cos \theta \\
(b)\ \cos 2\theta &=&1-2\sin^2 \theta\
\end{eqnarray}

\((1)\)に\((a)\)と\((b)\)を代入すると、

\begin{eqnarray}
\sin 3\theta&=&\sin 2\theta \cos \theta+\cos 2\theta \sin \theta\\
&=&(2\sin \theta \cos \theta)\cos \theta+(1-2\sin^2 \theta )\sin \theta\\
&=&2\sin\theta \cos^2 \theta+\sin \theta -2\sin^3 \theta
\end{eqnarray}

三角関数の相互関係より、\(\cos^2 \theta=1-\sin^2\theta\)なので、

\begin{eqnarray}
&=&2\sin \theta (1-\sin^2\theta)+\sin \theta-2\sin^3 \theta\\
&=&3\sin \theta-4\sin^3 \theta
\end{eqnarray}

以上で、\(\sin 3\theta\)の導出は完了です。

\(\cos 3\theta\)の導出

\(\cos 3\theta=\cos (2\theta+\theta)\)として、加法定理で解いていきます。

\(\cos 3\theta=\cos (2\theta+\theta)\)とすると、加法定理より

\begin{eqnarray}
\cos 3\theta&=&\cos (2\theta+\theta)\\
&=&\cos 2\theta \cos \theta-\sin 2\theta \sin \theta\cdots(1)
\end{eqnarray}

倍角の公式より、

\begin{eqnarray}
(a)\ \sin 2\theta &=& 2\sin \theta \cos \theta \\
(b)\ \cos 2\theta &=& 2\cos^2 \theta-1
\end{eqnarray}

\((1)\)に\((a)\)と\((b)\)を代入すると、

\begin{eqnarray}
\cos 3\theta&=&\cos 2\theta \cos \theta-\sin 2\theta \sin \theta\\
&=&(2\cos^2 \theta-1)\cos \theta-(2\sin \theta \cos \theta )\sin \theta\\
&=&2\cos^3 \theta -\cos \theta-2 \sin^2 \theta \cos \theta\\
\end{eqnarray}

三角関数の相互関係より、\(\sin^2 \theta=1-\cos^2\theta\)なので、

\begin{eqnarray}
&=&2\cos^3 \theta -\cos \theta-2(1-\cos^2\theta) \cos \theta\\
&=&2\cos^3 \theta -\cos \theta-2\cos \theta+2\cos^3\theta \\
&=&4\cos^3 \theta-3\cos \theta
\end{eqnarray}

以上で証明完了です!

\(\tan 3\theta\)の導出

\(\cos 3\theta=\cos (2\theta+\theta)\)として、加法定理で解いていきます。

\(\tan 3\theta=\tan (2\theta+\theta)\)とすると、加法定理より

\begin{eqnarray}
\tan 3\theta&=&\tan (2\theta+\theta)\\
&=&\displaystyle \frac{\tan 2\theta+\tan \theta}{1-\tan 2\theta \tan \theta}\cdots(1)
\end{eqnarray}

倍角の公式より、

\begin{eqnarray}
(c)\ \tan 2\theta&=&\displaystyle \frac{2\tan \theta}{1-\tan^2 \theta}
\end{eqnarray}

\((1)\)に\((c)\)を代入すると、

\begin{eqnarray}
\cos 3\theta
&=&\displaystyle \frac{\tan 2\theta+\tan \theta}{1-\tan 2\theta \tan \theta}\\\\
&=&\displaystyle \frac{\displaystyle \frac{2\tan \theta}{1-\tan^2 \theta}+\tan \theta}{1-\left( \displaystyle \frac{2\tan \theta}{1-\tan^2 \theta} \right) \tan \theta}\\\\

&=&\displaystyle \frac{2\tan \theta+\tan \theta-\tan^3 \theta}{1-\tan^2 \theta-2\tan^2 \theta}\\\\
&=&\displaystyle \frac{3\tan \theta-\tan^3 \theta}{1-3\tan^2 \theta}
\end{eqnarray}

以上で証明完了です!

3倍角の公式の覚え方

3倍角の公式は『加法定理』と『倍角の公式』を覚えておいて、その都度計算で求める覚え方がオススメです!

3倍角の公式の覚え方(語呂合わせ)は検索すればたくさん出てきます。

しかし、3倍角の公式が問題として出てくる頻度は高くありません。

一方で、『加法定理』と『倍角の公式』は出てくる頻度がかなり高いため、こちらを完璧に覚える方が圧倒的に有利です。

トムソン
トムソン

テスト中でも素早く計算できるように、3倍角の公式を導出する練習はしておきましょうね!

3倍角の公式まとめ

3倍角の公式の導出方法と覚え方について解説してきました!

基本的には加法定理と倍角の公式で求めていきます。

プラスで\(\sin^2 \theta+\cos^2 \theta=1\)の式も使いますが、基礎ができていれば難しい導出ではありません。

テスト中でも導出できるように、練習は必須ですよ!!

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