半角の公式

今回は三角関数の『半角の公式』の解説です。
半角の公式は下記の3つの式です。

半角の公式

\begin{eqnarray}
\sin^2 \displaystyle \frac{\theta}{2} &=& \displaystyle \frac{1-\cos \theta}{2}\\\\
\cos^2 \displaystyle \frac{\theta}{2} &=& \displaystyle \frac{1+\cos \theta}{2}\\\\
\tan^2 \displaystyle \frac{\theta}{2} &=& \displaystyle \frac{1-\cos \theta}{1+\cos \theta}
\end{eqnarray}

半角の公式の証明・使い方(例題)・覚え方と語呂合わせについてわかりやすく解説していきます。

ぜひ最後まで読んでいってください

トムソン
トムソン

九州大学 工学博士で物理学者の僕が解説します!
一緒に学んでいきましょう👍
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半角の公式の証明

半角の公式は下記の3式です。
sin/cos/tanを1つずつ導いていきます。

半角の公式

\begin{eqnarray}
\sin^2 \displaystyle \frac{\theta}{2} &=& \displaystyle \frac{1-\cos \theta}{2}\\\\
\cos^2 \displaystyle \frac{\theta}{2} &=& \displaystyle \frac{1+\cos \theta}{2}\\\\
\tan^2 \displaystyle \frac{\theta}{2} &=& \displaystyle \frac{1-\cos \theta}{1+\cos \theta}
\end{eqnarray}

導出にはcosの「倍角の公式」を使います。

$$\cos2x=\cos^2 x-\sin^2x$$

倍角の公式の詳しい解説は下記をごらんください。

>>倍角の公式<<

それでは半角の公式を導いていきましょう。

sin(サイン)の証明

まずはsinの半角の公式を証明していきます。


倍角の公式より、

\begin{eqnarray}
\cos 2\theta &=&1-2\sin^2 \theta\\
2\sin^2 \theta&=&1-\cos 2\theta\\\\
\sin^2 \theta&=&\displaystyle \frac{1-\cos 2\theta}{2}
\end{eqnarray}

ここで、\(\theta=\displaystyle \frac{\theta}{2}\)とすると

$$\sin^2 \displaystyle \frac{\theta}{2}=\displaystyle \frac{1-\cos \theta}{2}$$


sinの半角の公式導出は以上です。

cos(コサイン)の証明

次はcosの証明です!


倍角の公式より、

\begin{eqnarray}
\cos 2\theta &=&2\cos^2 \theta-1\\\\
2\cos^2 \theta&=&1+\cos 2\theta\\\\
\cos^2 \theta&=&\displaystyle \frac{1+\cos 2\theta}{2}
\end{eqnarray}

ここで、\(\theta=\displaystyle \frac{\theta}{2}\)とする。

$$\cos^2 \displaystyle \frac{\theta}{2}=\displaystyle \frac{1+\cos \theta}{2}$$


cosの半角の公式導出は以上です。

tan(タンジェント)の証明

最後にtanの公式を証明します。
tanの証明はsinとcosの証明とは少し違うので、しっかり途中式を確認しましょう!

証明には三角関係の相互関係の公式を使います。

$$\tan \theta=\displaystyle \frac{\sin \theta}{\cos \theta}$$


三角関数の公式より、
\(\tan \theta=\displaystyle \frac{\sin \theta}{\cos \theta}\)
である。

また、半角の公式より

\begin{eqnarray}
\sin^2 \displaystyle \frac{\theta}{2}&=&\displaystyle \frac{1-\cos \theta}{2}\\\\
\cos^2 \displaystyle \frac{\theta}{2}&=&\displaystyle \frac{1+\cos 2\theta}{2}
\end{eqnarray}

である。
以上より、

\begin{eqnarray}
\tan \displaystyle \frac{\theta}{2} &=&\displaystyle \frac{\sin^2 \displaystyle \frac{\theta}{2}}{\cos^2 \displaystyle \frac{\theta}{2}}\\\\
&=&\displaystyle \frac{\displaystyle \frac{1-\cos \theta}{2}}{\displaystyle \frac{1+\cos \theta}{2}}\\\\
&=&\displaystyle \frac{1-\cos \theta}{1+\cos \theta}
\end{eqnarray}


トムソン
トムソン

\(\sin\)(サイン)と\(\cos\)(コサイン)が計算できれば、\(\tan\)(タンジェント)は簡単に導出できますね!

より詳細に証明だけを解説した記事も用意しました。
加法定理から順序良く証明したい方は、こちらもご活用ください。

>>半角の公式の証明<<

次は半角の公式の覚え方を見ていきましょう。

半角の公式の覚え方

半角の公式を覚える方法は3つあります。

  • 3つの式を全て暗記する方法
  • 3つとも計算のやり方を覚える方法
  • 1つだけ暗記して、残りの2式は計算を覚える方法

今回は1つだけ暗記して、残りの2式は計算を覚える方法を紹介します。
残り2つの方法は下記の記事をごかくにんください!

>>半角の公式の覚え方<<

https://rikeinvest.com/math/sankaku/hankaku_oboekata/おb

覚える式

下記の\(\cos^2 \displaystyle \frac{\theta}{2}\)の式を覚えます。
(あとで語呂合わせを解説します。)

$$\cos^2 \displaystyle \frac{\theta}{2} = \displaystyle \frac{1+\cos \theta}{2}$$

あとの2つは、下記の三角関数の相互関係の式から導けます。

\begin{eqnarray} \sin^2 \theta+\cos^2 \theta&=& 1\\\tan \theta &=& \displaystyle \frac{\sin \theta}{\cos \theta}
\end{eqnarray}

この2つです。

まずは、\(\cos^2 \displaystyle \frac{\theta}{2}\)の語呂合わせを紹介します。
その後に残り2つを導く方法を解説しますね。

解説内容

  • \(\cos^2 \displaystyle \frac{\theta}{2}\)の語呂合わせ
  • \(\sin^2 \displaystyle \frac{\theta}{2},\ \tan^2 \displaystyle \frac{\theta}{2}\)の導き方

半角の公式(cos)の覚え方(語呂合わせ)

半角の公式(cos)の語呂合わせは
小さじ 半角は イプコスの班(こさじ はんかくわ いぷこすのはん)
です。

語呂合わせと数式の関係

\(\cos^2\)『小さじ』

\(\displaystyle \frac{\theta}{2}=\)『半角(\(\theta\)の半分)は(=)』

\(\displaystyle \frac{1+\cos \theta}{2}\)『イプコス(\(1+\cos \theta\))の班(半分で\(\displaystyle \frac{1}{2}\))』

です!

トムソン
トムソン

リズムがいいから覚えやすいですね!


cosの半角の公式を覚えたら、sinとtanは導出できますよ!
導出方法を解説していきます。

半角の公式(sin)の覚え方

三角関数の相互関係より、

$$\sin^2 \theta+\cos^2 \theta= 1$$

である。
\(\cos^2 \displaystyle \frac{\theta}{2}=\displaystyle \frac{1+\cos 2\theta}{2}\)
を使用すると、下記の通り計算できます。

\begin{eqnarray}
\sin^2 \displaystyle \frac{\theta}{2}+\cos^2 \displaystyle \frac{\theta}{2}&=& 1\\
\sin^2 \displaystyle \frac{\theta}{2}&=& 1-\cos^2 \displaystyle \frac{\theta}{2}\\\\
&=&1-\displaystyle \frac{1+\cos \theta}{2}\\\\
&=&\displaystyle \frac{1-\cos \theta}{2}
\end{eqnarray}

と計算できます。


計算できる解説しましたが、余裕があれば暗記してもいいでしょう。

半角の公式のsinとcosの違いは分子の符号だけです。
\(sin:\ 1-\cos \theta\)
\(cos:\ 1+\cos \theta\)

導出でも暗記でも自分にあった方で覚えましょう!

半角の公式(tan)の覚え方

\(\tan \displaystyle \frac{\theta}{2}\)はsinとcosの式を使えば、導出と同様の方法で計算できます。


三角関数の公式より、\(\tan \theta=\displaystyle \frac{\sin \theta}{\cos \theta}\)

また、半角の公式より

\begin{eqnarray}
\sin^2 \displaystyle \frac{\theta}{2}&=&\displaystyle \frac{1-\cos \theta}{2}\\\\
\cos^2 \displaystyle \frac{\theta}{2}&=&\displaystyle \frac{1+\cos 2\theta}{2}
\end{eqnarray}

である。

以上より、

\begin{eqnarray}
\tan \displaystyle \frac{\theta}{2} &=&\displaystyle \frac{\sin^2 \displaystyle \frac{\theta}{2}}{\cos^2 \displaystyle \frac{\theta}{2}}\\\\
&=&\displaystyle \frac{\displaystyle \frac{1-\cos \theta}{2}}{\displaystyle \frac{1+\cos \theta}{2}}\\\\
&=&\displaystyle \frac{1-\cos \theta}{1+\cos \theta}
\end{eqnarray}


半角の公式はcosを覚えておけば、導出することができます!
余裕があればsinも覚えると導出の手間が減りますよ。

半角の公式の使い方

では、半角の公式の使い方を解説します。
半角の公式は『2倍にすれば計算できる角度』を計算するときに使います。

よく分からないですよね。
具体例を見ていきましょう。

例1:\(\theta =15°\)の場合

例えば、\(\sin 15°\)を求める問題が出たとします。
\(\sin 15°\)を直接求めるには、三角関数表が必要ですね。

しかし、三角関数表が手元にないテストは珍しくありません。

では、どうやって求めるか。
半角の公式を使って角度を\(30°\)にします!
 

普通は弧度法を使うので、弧度法で計算します。
\(15°\)と\(30°\)を弧度法で表すと下記の通り。

$$15°=\displaystyle \frac{\pi}{12},\ 30°=\displaystyle \frac{\pi}{6}$$

\(\sin \displaystyle \frac{\pi}{12}\)を半角の公式で求める

\(\theta=\displaystyle \frac{\pi}{6}\)とすると、半角の公式より、

\begin{eqnarray}
\sin^2 \displaystyle \frac{\pi}{12} &=& \displaystyle \frac{1-\cos \displaystyle \frac{\pi}{6}}{2}\\\\
&=& \displaystyle \frac{1-\displaystyle \frac{\sqrt{3}}{2}}{2}\\\\
&=&\displaystyle \frac{1}{4}(2-\sqrt{3})
\end{eqnarray}

$$∴\sin \displaystyle \frac{\pi}{12}=\displaystyle \frac{1}{2}\sqrt{(2-\sqrt{3})}$$

ここまで来れば、ルートは大体の値がわかるので、\(\sin 15°\)を数値で表せるわけです。

\(\sqrt{3}≒1.73\)を使うと、

\begin{eqnarray}
\sin^2 \displaystyle \frac{\pi}{12} &=&\displaystyle \frac{1}{4}(2-\sqrt{3})
&≒&\displaystyle \frac{1}{4}(2-1.73)\\\\
&=&\displaystyle \frac{1}{4}\times0.27\\\\
&=&0.0675
\end{eqnarray}

$$∴\sin \displaystyle \frac{\pi}{12}≒0.26$$

トムソン
トムソン

実際に計算するには\(\sqrt{0.0675}=0.26\)の計算が難しいかもしれません。半角の公式ってこうやって使うんだ!くらいには理解しておきましょう。

\(\tan^2 x\)の使い方について深掘りした記事もおすすめです!

>>半角の公式のtanを深掘りしてみた<<

半角の公式を使う積分

また半角の公式は微分積分でも高い頻度で出てきます。
例としていくつか紹介しておきますので、興味がありましたら読んでみてください!

\((\sin^2 x)’=2\sin x \cos x=\sin 2x\)(積分の計算)

\((\cos^2 x)’=-2\sin x \cos x=-\sin 2x\) (積分の計算)

\(\displaystyle\int \cos^2 xdx=\displaystyle \frac{1}{2}x+\displaystyle \frac{1}{4}\sin 2x\)(積分の計算)

\(\displaystyle\int \sin^2 xdx=\displaystyle \frac{1}{2}x-\displaystyle \frac{1}{4}\sin 2x\)(積分の計算)

半角の公式の例題

最後に1問だけ半角の公式を使って解く例題を紹介しますね!

例題

\(\tan \displaystyle \frac{3}{8}\pi\)の値を求めよ

解答

\(\tan \displaystyle \frac{3}{8}\pi=\sqrt{2}+1\)

解説

この問題は解説すると非常に長くなるので、省略します。
なぜ\(\sqrt{2}+1\)になるか分かった方はコメントください!

解説はこちらの記事で紹介していますので、ぜひ参考にされてください!

>>半角の公式 (tanを深掘り)<<

半角の公式まとめ

半角の公式の証明では、倍角の公式を使ったり、三角関数の相互関係の公式を使うことで導出できました。

覚え方では、\(\cos^2 \displaystyle \frac{\theta}{2}\)だけを覚えて、残り2つは計算で出すって方法を紹介しています。
余裕があればsinとcosも覚えてもいいでしょう!

半角の公式

\begin{eqnarray}
\sin^2 \displaystyle \frac{\theta}{2} &=& \displaystyle \frac{1-\cos \theta}{2}\\\\
\cos^2 \displaystyle \frac{\theta}{2} &=& \displaystyle \frac{1+\cos \theta}{2}\\\\
\tan^2 \displaystyle \frac{\theta}{2} &=& \displaystyle \frac{1-\cos \theta}{1+\cos \theta}
\end{eqnarray}

半角の公式の使い方は、15°や22.5°などの『2倍にすれば分かりやすい角度』を計算するのに使えます!

トムソン
トムソン

今回は簡単に紹介しましたが、半角の公式は積分なんかでも使います。
しっかりマスターしましょう〜♪

お気軽にコメントください! 質問でも、なんでもどうぞ!

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