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[数2]組立除法のやり方、因数分解、分数、二次式、使えない時を解説

組立除法は、整式の割り算や高次方程式の因数分解に利用されるとても便利な計算方法です。

組立除法をマスターすると、楽に、素早く問題を解くことができます。
少し難しい計算ですが、この記事を読んでコツを掴めば誰でも使えるようになります!

例題で詳しく解説するので、ぜひ最後までご覧ください!

目次

組立除法のやり方

組立除法とは、整式$P(x)$を1次式$x-k$で割ったときの商$Q(x)$と余り$R$を簡単に求める方法です。
ただし組立除法がそのまま使えるのは、割る1次式のxの項の係数が1のときだけです。

※参考記事
一次式とは?簡単に解説、加法と減法、二次式との違い

[数1]項とは?項の意味と求め方、単項式と多項式で解説

[数1]係数とは?係数の意味と求め方、単項式と多項式で解説

組立除法の完成の形を確認しておきましょう。
$P(x)=ax^3+bx^2+cx+d$を$x-k$で割ったときの商を$Q(x)=lx^2+mx+n$,余りを$R$とします。

完成形はこの形で、P(x)の係数と、割る1次式のkを使って計算していきます。
計算は左から右へ進めていき、一番下の段に求める商Q(x)の係数と余りRが出てきます。

組立除法のやり方を例題を使って順番に解説します。

組立除法を使う例題

$P(x)=x^3+2x-1$を$x-3$で割ったときの商$Q(x)$と余り$R$を求めよ。

STEP
P(x)の係数を横に並べて書く

$X^3$, $x^2$, $x$, 定数項それぞれの系係数を書きます。x^2の項はないので0を書きます。

STEP
係数の一番右に割る式を書く

係数の一番右に割る式の3を書きます。係数と区別するため、下図のように3を囲みます。1行空けて横線を引きます。

STEP
一番左の数をそのまま下ろす

一番左の数をそのまま横線の下までおろします。おろした数に右上の数3を掛け、x^2の係数0の下に書きます。

STEP
左から2列目の数0と3を足す

左から2列目の数0と3を足して、その下に書きます。さらにその数に3を掛けて、xの係数2の下に書きます。

STEP
同様に計算する

同様の計算を右方向へ進めます。

STEP
商と余りを確認する

一番下の行の数字が商Q(x)の係数と余りRです。係数の項は右から左へ定数項、xの項、x^2の項と次数が増えます。


よって、問題の答えは、商$Q(x)=x^2+3x+11$, 余り$R=32$ と求まりました。
整式の割り算が、数字だけを使って簡単に求めれるので時間短縮にもなりますね。どんどん利用しましょう。

分数の組立除法

組立除法は割る1次式のxの係数が1のときだけ使えます。では、2x-1で割るときはどうすればいいのでしょうか?
この場合、割る1次式のxの係数を1にするために、いったん式を2で割って変形することで、組立除法が使えるようになります。

つまり、$\displaystyle \frac{(2x-1)}{2}→x-\displaystyle \frac{1}{2}$と変形して組立除法を使います。
一般的に、$ax+b$で割るときは$x+\displaystyle \frac{b}{a}$に変形してから組立除法を使います。

分数の組立除法の例題

では例題を解いてみましょう。

$P(x)=2x^3+x^2+x-2$を$2x-1$で割ったときの商$Q(x)$と余り$R$を求めよ。
$2x-1$を$x-\displaystyle \frac{1}{2}$に変形し、組立除法で計算します。

組立除法で商と、余りが出ました。しかし、この商と余りは答えではありません!割る式が(x-1/2)だからです。

これを式に直すと、
$P(x)=(x-1/2)(2x^2+2x+2)-1$となります。

(x-1/2)が割る式
(2x^2+2x+2)が商
あまりが-1です

ここで、割る式を$(2x-1)$に戻すために$(x-1/2)$に2を掛けて、そのぶん商$(2x^2+2x+2)$を2で割ります。

$P(x)=2(x-1/2)1/2(2x^2+2x+2)-1$
$=(2x-1)(x^2+x+1)-1$

これで答えが出ました!

組立除法で最後まで解くと下の図のようになります。

答え

商$Q(x)=x^2+x+1$,余り$R=-1$

分数に変形したときは、組立除法の後の最後の割り算は絶対に忘れずにやりましょう。
組立除法と割り算を組み合わせると、よりスピードアップできますね。

組立除法を因数分解に活用

組立除法は、整式の割り算の他に、高次方程式の因数分解にも利用できます。

高次方程式P(x)の因数分解では、因数定理でP(k)=0となるkを見つけた後、P(x)を(x-p)で割りますね。その割り算をするときに、組立除法が使えます。

高次方程式の因数分解は、工程が多く時間がかかりますが、組立除法を使うことでかなり時間短縮できますよ!

※参考記事
[数2]因数定理|わかりやすく解説

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組立除法のまとめ

組立除法について解説しました。
ポイントは下記の3つです。

  • 組立除法を使うと整式と1次式の割り算が簡単にできます。
    (3次式)÷(1次式)のような割り算の商と余りを求めるときに便利です。
  • 割る式のxの係数が1以外でも、式を変形することで組立除法が使えます。
  • 組立除法は、高次方程式の因数分解をするときにも利用できます。

組立除法、マスターできましたか?慣れるまでたくさん問題を解いて実践で使えるようにしましょう!

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